駐車場まで自家用車で行き、そこからバスでコースに向かうツアーを企画するゴルフ練習場が増えている。他にも、民間駐車場に車を止め、そこからバスに乗り継いでコースへというツアーも登場。長距離の運転をしたくない女性に好評を博しているようなのだ。
まずは練習場では国内最大規模を誇る、名古屋のゴルフ倶楽部大樹。シニア女性の同好会メンバーを対象に、年2回ほどのペースで実施している。一回の参加者は40人ほど。
参加者は同倶楽部駐車場に自家用車を置き、コースとの間はバスで往復。自分の車に乗り換えて自宅へ戻る仕組みだ。プレーフィは自分で払うが、行き帰りのバス代は会員サービスの一環なのでタダ。
一般に、練習場は自宅近くを選ぶケースが多く、練習場までの距離なら車の運転も苦にならない、という人にはうってつけ。
駅で集合となると、駅まではどうしてもバッグを持ってバスや徒歩、電車で行くことになるが、車で来て荷物を積み替えるだけならかなり楽だ。
「もともとはコンペの際に、会員からの要請でバスを出したことがヒントになった。バスの中で他のメンバーとも親しくなれる」(大樹ゴルフ倶楽部)ので、4人が揃わないとコースへ行けない、という制約もなくなる。
兵庫県のポートアイランドゴルフ倶楽部が女性限定のサークル『レディ・ゴー!』のメンバーを対象に実施しているツアーは今年5月で3年目、実施回数は8回目になる。
バス代、諸経費コミで3000円がかかるが、2000円分の練習場のプリペイドカードをもらえるので実質負担はわずか1000円。ここも会員サービスの一環と言える。
千葉県のロッテ葛西ゴルフ練習場は、年間に4回実施するコンペの際に、バスツアーを組んでいるが、こちらも長距離を走るのは嫌だという女性のグループやシニア男性に好評だという。
毎回80~100名ほどの参加者のうち、25~30人くらいがバスを希望する。バス代は2500円かかるが、アシ代を考えたら割安だ。
旅行代理店にも同様のツアーを企画する動きが出始めている。横浜の旅行代理店イイ・アクセスでは、千葉県内の天ケ台、千葉夷隅、花生、米原、キャメル、京、それに御殿場のショートコース・高嶺パブリックの7コースと提携。
ここの集合場所は駐車場。駐車場代は500~1500円。バス代はプレー代と込み。コースによって色々だが、キャメルGRを例にとると6月の平日1万2000円~(昼食・カートフィ付)という設定。
「リタイアした男性は自宅周辺に友達がいないことが多いので、1人でもコースに行けるようにと考えたことがきっかけですが、実際には女性の申し込みも多く、男女比はほぼ半々。駐車場で車を乗り継ぐシステムがうけているのだと思います」(塩田社長)という。
12人以上の申し込みがあればマイクロバスをチャーターするが、最低4人集まれば社有のワゴンを塩田社長が自ら運転する。
かつてに比べればプレーフィはだいぶ安くなったものの、コースに辿り着くまでの高速代はバカにならない。駐車場から出発という利便性も大きなファクターのこのサービス、今のところシニア女性を対象にしたものが主流だが、男性にも十分需要が見込めるかもしれない。
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