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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/19号
2007/6/7更新
問い合わせ殺到! 練習場も入場者増
「遼くんフィーバー」の波及効果

 石川遼人気には依然衰えが見られない。今週、千葉で開催の関東アマでは、アマチュアゴルフ界空前のフィーバーが起きているようだ。ツアー優勝の世界最年少記録を樹立してから2週間。その後の≪遼くん効果≫を追ってみた。


ゴルフ界始まって以来のフィーバーの立役者!

 今、ゴルフ界で最も熱い場所といえば、6月4~7日の日程で関東アマが開催されている千葉CC梅郷コースだ。

 同大会は、例年はギャラリーといっても選手の家族など数十人程度だった。ところが、今年は石川くんの出場が伝えられると、一般からの問い合わせが殺到。

 しかも、それが「どんな格好で行けばいいのか」とか「カメラは持ち込めるのか」といった、いかにも観戦ビギナーからの問い合わせ。

 そうした事態に、主催の関東ゴルフ連盟(KGA)はすぐさま、異例のギャラリー規制(並びにメディア規制)に踏み切った。

 全ホールのローピングや、コースから離れた場所にギャラリー駐車場を設けバスでピストン輸送するといったことは、大会初のこと。

「やってみなければ分りませんが、ギャラリーは多くて1日500人と予想して対策を立てました。開催コースは2年前にスリーツアーズ(国内プロ3ツアーの対抗戦)を実施しており、競技運営のノウハウがあったので独自で行うことができました。
 また、地元・野田市とは日頃からいい協力関係ができ上がっていて、ギャラリー駐車場もすぐに借りられました」(KGA事務局長・加藤重正氏)

 それでも、すべてが初めて経験する騒ぎ。不安な点は多い。そのため今回は、安全と競技進行を第一に、より慎重な対策を図ったという。

 なかでもメディア――特に申請だけでも20数台のカメラが持ち込まれそうなテレビメディア――には様々な制限が実施されることになった。 

 また関東アマのフィーバーには及ばないが、≪遼くん効果≫で賑わったのが、ジュニアの来場が急増した練習場だ。

 都内の大型練習場、ロッテ葛西ゴルフでは「その翌週末(5月26、27日)には家族連れが一気に増えました」(鈴木利和支配人)

 2セットしか用意していないレンタルクラブに希望者の列ができ、スタッフが急ぎ周辺のショップを回って、なんとか6セットをかき集めたが、それでも週末は貸し出されっぱなしだったという。

 同練習場ではブリヂストンスポーツと日本女子プロゴルフ協会(LPGA)がそれぞれジュニアスクールを開講しているのだが、「問い合わせは、大会直後の21日、22日には1日10件のペース」(LPGAスクール)という反響で、この1週間でもそれぞれ20~30件の申込みがあったそうだ。

「1クラス7~8人だったのが15人に増えたクラスがあります」(LPGAスクール)

 練習場人気といえば、遼くんが通う野田市のゴルフサロン・セラはちょっと大変なことに。

「まず小学校高学年の来場者が増えましたね。しかも、子どもたちが進んでやりたがっているようです」(中山マネジャー)と、ここまではいいのだが、「それと練習はせず、駐車場でいかにも遼くんが来るのを待っているという女性も増えています。年齢? やはり中年の方が多いですね」

 そのため、別に何があったわけではないが、練習場のスタッフは「みんなで遼くんを守ってあげなければ」という思いに駆られているそうだ。

≪遼くんフィーバー≫に沸くといえば、例のイアン・ポールターのヘッドカバー人気は沸騰状態だ。輸入代理店のホクシン交易では、「アメリカのメーカーに3度追加発注しました。最初の発注分は来週入荷しますが、とっくに完売。次の入荷はいつになるか分かりません」として、既にバックオーダーだけで1000個。

 一般からの問い合わせには、ネットの楽天ショップへと返答しているのだが、そこでどれほどの人が予約しているのかは不明という。「オークションサイトでは8000円の値が付いてました(希望小売価格3990円)」

 実はこうした騒ぎを心配しつつ、成り行きを冷静に見守っているのが日本ゴルフ協会だ。というのも、石川くんにはアマチュア資格という、慎重に対処すべき問題があるからだ。

 アマチュア資格といえば、一般に金銭など報酬を得なければ大丈夫と思われがちだが、「アマチュア資格規則」の規則6-1では、「ゴルフの手腕や名声のあるアマチュアは、商品のプロモートや広告、宣伝のためにその手腕や名声を利用してはならない」と規定されているのだ。

 つまり、選手は報酬の有無に関係なく、広告宣伝に利用されてはいけないのだが、実際に「名声の利用」があったか否かは、微妙な解釈の問題となる。

「石川くんのような選手の登場はJGAが想定していなかったもので、さまざまなケースを想定し、その判断をR&Aに仰いでいるところです」(JGA事務局)とのこと。

 例えば、来年のマンシングウェアオープンでは、石川くんはディフェンディングチャンピオンとして、ポスター等に大きく写真が掲載されることになる。それは果たして……?

 華やかな話題の裏で、実はこうした繊細な問題を(周囲が)抱えている石川遼だが、そのあまりの人気振りに在籍の杉並学院では広報の窓口を日本ゴルフツアー機構に依頼しようとしている。

 機構側では検討中とのことだが、受諾すればプロがアマの活動をマネジメントすることに。JGAの心配が現実のものにならないことだけは、お願いしたい。

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