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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/26号
2007/6/14更新
来年導入、米LPGAのドーピング
超厳しい処置に喧々諤々の意見が

 米LPGAの薬物検査の内容が煮詰まってきた。来年シーズン初めから行われる予定のドーピングテストの詳細が、徐々に決まってきているが、先ごろ明らかになった罰則規定の厳しさに、驚きの声が上がっている。

 これは、5月下旬のコーニングクラシックで話し合われたもので、LPGAは「正式に確定したものではない」(C・ビベンスコミッショナー)ということで、公式発表は控えているが、米ゴルフワールド誌やヨーロッパツアーの公式ウェブサイトが明らかにしたもの。

 気になる罰則というのは、LPGAが禁止した薬物の使用が認められた場合、1回目の陽性反応で25試合の出場停止。2回目は50試合の出場停止に加え、シード権の剥奪(再度プロテストを受けることになる)。そして、3度目は、ツアーからの永久追放という厳しい処置になる模様だ。

「皆、ゴルフは誠実であることの上に成り立っているスポーツであることは、分かっているはず。ゴルフは、ルール違反を犯した場合、自分でそれを申し立てるスポーツ。それを考えれば、ソフトな罰則なんて考えられない」と具体的な内容はともかく、ビベンスコミッショナーも、厳しい罰則になることを認めている。

 ある意味では、男子ツアーよりも、女子ツアーの方が、飛距離を出すために筋肉増強剤などを使用している可能性が高いと言われているだけに、こうした疑念を払拭するためにも厳しい罰則規定が必要と言えるのかもしれない。

 実際、中堅プロのケリー・キーニーは「筋肉増強剤を使っているとは言わないが、144人のトーナメントで、およそ10~15人がサプリメントなどを服用している」と推測しているが、そうしたサプリメントの中には、禁止対象となっている薬物が含まれている可能性もあるという。

 だから、「薬物に関してはほとんど何も知らない」というA・ソレンスタムのようなプレーヤーたちは「勉強しなければならないことが沢山ある」ということになる。

 毎週、何人かのプレーヤーがランダムに選択され、練習ラウンドか、試合後にサンプルが採取される。

 選ばれたプレーヤーは、サンプルを提出するまで、コースから出ることが禁止される上、もし優勝したとしても、その賞金は、テスト結果が出る2~4週間後までは、支払いが差し止められることになりそうだ。

 ただ、気になるのは、LPGAが発表した禁止される82種類の薬物リストだ。これがオリンピックで禁止されている薬物とは、つまりワールド・アンチ・ドーピング・エージェンシーのリストとは若干異なっている点だ。

 これもまだ確定したわけではないが、例えば、人間の成長ホルモンは、LPGAのリストには載っていない。LPGAのジル・ピルグリム顧問によれば、「女子ゴルフに影響を与えないとされる薬物まで禁止する必要はない」ということで、ゴルフに関係すると思われる薬物に絞り、時間と費用を節約するという。

 しかし、例えばマリファナが気分を落ち着かせる効果があることから、禁止リストに加えるかもしれないなどということを、いまだに言っているのだから、禁止する薬物の種類を少なくして、違反者が出ないようにしてから、罰則を厳しくしたようにも思えてくる。

 いずれにしても、プロスポーツ界では、薬物テストが、一般的なものになりつつあり、形だけでも、何らかのテストを行わなければならなくなってきていることは間違いがないだろう。

 そうした意味では、ヨーロッパツアーも薬物テストに動き出しており、具体的に動こうとしない男子のPGAツアーに対する批判の声が高まりつつあるようだ。

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