プロ、アマ問わず昔ながらの黒いグリップが少数派に思えるほどのカラーグリップ・ブームを受けて、ヘッドやシャフトにも赤、黄、緑などのカラーカスタムの時代がやって来そうだ。
|
形は同じでも色が違うと気分も違う
|
「グリップ交換のお客様のうち約4割がカラーグリップ、中には消耗していないのに季節ごとに色を変える目的で交換されるお客様もいます。カラー派は確実に増え続けていて、近いうちに5割には達すると思います」(京葉ゴルフ・高橋直樹専務)
「パーフェクトプロ」や「イオミック」に端を発したカラーグリップの勢いは、他メーカーまで巻き込んで、とどまるところを知らない。
一方、ドライバーのヘッドといえば黒や濃紺などの目立たない色がほとんどだった。しかし、ここ数年のカラーグリップの大流行がクラブメーカーに重い腰を上げさせた。
昨年発売された『オールニューゼクシオ』は、ソールのバッジを標準色以外に4色用意してユーザーが選べるようにしているほか、別注でヘッドやシャフトのカスタムカラー(シルバー)も選べる。
「同じクラブが多くて紛らわしいというお客様の声に応えた」(SRIスポーツ・飯田謙一氏)ベストセラークラブならではの配慮だが、今年登場した460ccモデルではカスタムのバッジを選ぶユーザーがさらに増えている。
キャスコは、今年の1月からユーティリティクラブの『パワートルネードFG』でヘッド6色、シャフト5色のカスタムカラーを展開している。また、先月にはパールホワイトの『Dマックス450』も登場させた。
「カラーグリップが流行っているならヘッドがカラフルでもいいのではという発想です。折しも当社は今年のスローガンに『楽しいゴルフの創造』を掲げており、カラフルなクラブで楽しんでいただければ」(キャスコ・六車拓人氏)
ちなみに、もっとも人気のある色は、男性用がシャンパンゴールド、女性用はピンクなのだそうだ。
キャスコに続いて5月31日からドライバーのカラーカスタムを始めたのはホンマだ。
「セレクトオーダーシステム」はもともと、ベレスのヘッド(5タイプ9種類全10色)とアーマックシャフト(7タイプ21種類)すべての組み合わせを店頭で試打できるようにし、最適のスペックをオーダーできる新しいフィッティングシステムとして考案されたもの。
しかし、「せっかくの機会なので、ユーザーサービスとしてカラーまでオーダーできるようにした」(本間ゴルフ・西堀雅之氏)ところ、「予想以上の反響」(西堀氏)があり、これを受けて、今後、左用ドライバー、フェアウェイウッド、アイアンまで順次同様のサービスを広げていく考えだ。
一方、シャフトメーカーでは早くから商品イメージとカラーリングをリンクさせてきた。先行したのはグラファイトデザイン。
ブルーGやパープルアイスなど色をそのまま商品名にしたり、ツアーADシリーズでは、W=赤、PT=青、クワトロテック=緑というようにイメージ作りを行ってきた。あのプロはあのシャフトを使っていると一目で分かるだけに、宣伝効果は大きい。
フジクラの『ランバックスXシリーズ』の成功の要因の一つにもカラーリングが挙げられる。
「当社にはない派手な色なので売り出す前は不安もありましたが、蓋を開けてみたら『この色がいい』と言って受け容れてくれるお客様が多かった。次の商品でも色を意識せざるを得ない。」(藤倉ゴム工業スポーツ用品事業部・高梨修一部長)
選手同士の会話でも「あ、あの黄色でしょ」「今度の緑はいいよ」など商品名よりも伝わりやすく、目立つ色には口コミを高める効果もある。
ウェアだけでなく、グリップ、シャフト、ヘッドまで色を選べる時代になり、楽しさが倍増することは間違いない!?
|