ヒートアップする一方の石川遼人気。次の出場試合となる日本アマに向けて、主催の日本ゴルフ協会(JGA)を始めとする関係者は準備に大わらわ。この人気にテレビ局が飛びつき、史上初の地上波放映が決定的となってきた。
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遼くんフィーバー
騒がしいのは大人たちばかり……
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日本アマは過去10年間、CSゴルフネットワークで録画中継されてお、今年も同様の契約が交わされている。
だが、今回は「いくつかの局から(地上波放映の)問い合わせがありました」(JGA事務局)と大人気。
最終的にはゴルフネットワークとの話し合いが進行中で「放映時間や金銭的なものも含めて、JGAさんを交えて調整中です」(ジュピターゴルフネットワーク広報)とのことだ。
関係者の間では、フジテレビ優勢説が根強いが、発表の時間的な制約もあり、この号(週刊ゴルフダイジェスト7月3日号)が出る頃には結論が出ているはずだ。
放映権料も発生する。「額は言えませんが、ゴルフネットワークさんからも頂いていますので、当然、頂くことになるでしょう」(JGA)
日本のトーナメントの現状では、公式戦を除き、実質的に放映権料が発生することはほとんどない。冠スポンサーがテレビ中継のCM枠を買う形で、むしろ≪放送してもらう≫ことにスポンサーが価値を見出している。
公式戦は日本プロが約8000万円、日本女子プロで約4000万円、日本オープンは女子オープン、シニアオープンと3試合セットで億単位(金額はいずれも推定)という。
そんな中、今回の日本アマは遼くん効果で大健闘と言っていいだろう。
もっとも、試合形式上最後はマッチプレーとなり、放映局にはリスクもある。どのホールで決着がつくわからず、ずっと選手を追わないと番組制作が難しい。
本音を言えば遼くんの組だけ追いたいところだろうが「そんなことをしたら(その局のゴルフ中継が)地に落ちる」という関係者の声も大きく、底辺拡大という大義名分と、制作費、さらには視聴率などの狭間で難しい選択を迫られることになる。
またディフェンディング・チャンピオンとなる来年のマンシングウェアKSBカップのがポスターなどでへの露出・掲載についてアマ規定に抵触しないかどうかも確認作業が続いている。
「(企業の宣伝という意味合いも持つ)スポンサートーナメントということで、慎重になっています。ただ、ディフェンディング・チャンピオンがアマチュアだからという理由で、まったく使えないのでは主催者さんも困るだろうし」とJGA事務局。
実は過去にある試合で出場選手の中から伊藤涼太を大きく取り上げ、ポスターに使おうとしたところ、アマ規定に抵触しそうになり、お蔵入りになった例もあるという。
だが、今回はただのアマ出場者ではない。前面に出る理由は十分なだけに、JGAは頭を悩ませている。さてこの問題、どうなるか気になるところだ。
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