男子2部ツアーのチャレンジトーナメントで、2週続けてベテランの元シード選手が優勝した。エバーライフカップ(5月30日~31日)で昨年シード落ちした横田真一が、セガサミーチャレンジ(6月7日~8日)で03年にシードを落とした水巻善典が優勝。「まるで再チャレンジトーナメントみたい」という声も聞こえてくる。
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3試合のレギュラーツアー出場をゲットした水巻
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かつてのグローイングツアーと呼ばれた2部ツアーは、2000年のツアー独立(JGTO設立)以降はチャレンジトーナメントと名称を変えたが、シード外選手のみに出場が許される選手育成の場としての位置付けは変わっていない。
00年に新たなメジャーとして始まったJGTO TPC イーヤマカップ(現UBS日本ゴルフツアー選手権)に、シーズンのそれまでのチャレンジ優勝者が出場できるというカテゴリーが設けられ、2部での活躍がレギュラー出場へのチャンスへつながる制度ができた。
さらに昨年からは、チャレンジ優勝者をなるべく直近のレギュラーツアーに出場させるというカテゴリーも追加された。
「チャレンジで勝って調子がいい若手が、レギュラーで力を試せるのは、いいシステムです。レギュラーはセッティングも違うし、顔ぶれも違う。そういう中で自分がどれだけできるかの判断材料になって、いい練習もできるようになりますから」と水巻。
もっとも今年49歳になる水巻にとっては、「またひとつ楽しみが増えた」というのが正直なところ。
セガサミーチャレンジは、今年から「~北海道スイングへの道~」とサブタイトルを付け、北海道で開催されるセガサミーカップ、サン・クロレラ、ANAオープン3試合の主催者推薦枠が優勝副賞として与えられることになり、水巻はその権利も獲得。
今季QT順位115位で、推薦とマンデー以外では自力でのレギュラーツアー出場のチャンスがなくなっていた水巻には、またとない副賞となった。
「試合に出られるのはもちろん嬉しいですけど、それ以上にセガサミーの里見(治)会長は、ゴルフ、サッカー、野球などを支援する社会還元活動をやっていて、そういう志を持っている人の大会で頑張れたというが嬉しいですね」と水巻。
ちなみに、今季のチャレンジに出ている顔ぶれを見ると、中日クラウンズで勝った宮瀬博文を筆頭に、河村雅之、芹澤信雄、尾崎健夫、兼本貴司、田島創志、檜垣繁正、中川勝弥、福沢義光、横山明仁、三橋達也、湯原信光、原田三夫など元シード選手が目白押し。
日本ゴルフツアー選手権の前に開催されるチャレンジトーナメントは望月東急JGTOチャレンジ(6月21日~22日)の1試合。趣旨のとおり無名の若手がチャンスをつかむのか、それともベテランが再チャレンジの機会を得るのか注目したい。
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