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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 7/17号
2007/7/5更新
米LPGAに続きPGAツアー、
シニアツアーでもドーピング実施に

 米PGAツアーが、ドーピング検査導入の方向で動き始めた。これは、先のトラベラーズ選手権で、ティム・フィンチェム・コミッショナーが発表したものだが、従来、米ツアーはテスト導入に否定的だっただけに、波紋が広がっている。

 これまで、米ツアーでは、「薬物使用の証拠がない。証拠がない以上テストしても意味がない」とか「薬物を使用しても、スコアアップにはつながらない」などという言葉を繰り返して、ドラッグテストの導入を否定し続けていた。しかし、米女子ツアーが、来年からのテスト導入に向けて着実に動き始めている上、ヨーロッパツアーでも、早ければ来シーズンの早い時期に薬物テストプログラムをスタートさせると伝えられている。

そうした状況を受け、「これが現実で、この問題を取り扱わなければならなくなっている。ただ、この問題はゴルフ界が協力することで、(中略)世界中で歩みをともにする必要がある」とフィンチェム・コミッショナーは語ったのだ。プロツアーでは、かつて、フレンチオープンで、同国の規制によりドーピング検査が行われ、風邪薬を飲んだ選手に陽性反応が出るということがあったが、ヨーロッパツアーで、テストが実地されるようになり、参加したアメリカの選手に陽性反応が出て失格にでもなれば、米ツアー全体の威信が失墜しかねない。とはいえ、オリンピック同様の100種類を超える薬物テストを行うには、金も時間もかかる。一旦、順位が確定し、試合が終わってしまえば、後でルール違反が判明しても、優勝が取り消されることはないといったルールも改定しなければならなくなる。

 なにより、フランス競馬に参加したディープインパクトの失格事件のように、禁止されている薬物が、各ツアー間で異なってしまっては、ゴルフがグローバル化している現在、検査をする意味も薄れてしまう。

 米ツアーでは、年内にも、禁止薬物のリストを含めて、ルール作りを終わらせる予定で動いているようだが、状況から判断すると、ヨーロッパツアーと連絡を取り合いながら、準備を進めているようだ。これを受けて、シニアのチャンピンズツアーでも、レギュラーツアー同様のテストやルールを導入する旨を発表。これで一気に薬物テストがゴルフ界にも普及しそうな気配となってきた。

 となれば、日本のツアーも例外ではなくなる。ワールドゴルフチャンピオンシップ(WGC)などの日本のツアーも関わる試合がある上、日本のプレーヤーが海外遠征をする場合、基本的な薬物の知識も必要となるからだ。日本ゴルフツアー機構(JGTO)では「JGAと意見交換はしているが、まだ、具体的な話は出ていない。しかし、米ツアーが動くというのなら、全英オープンの時に行われる(WGCを主催する)ゴルフフェデレーションの会合で、この話が出るのではないか」(田中JGTOディレクター)としている。

 JLPGAでも「文部科学省の指導もあり、会議では話し合われているが、具体的な予定はない」としているが、米女子ツアーの方が、来春からドーピング検査の実地を明らかにしている以上、日本からプレーヤーが招待される場合など、最低限、プレーヤーなどに対する禁止薬物の教育などが必要になってくるのは、間違いない。プロゴルフ界でもっとも影響力を持つ米PGAツアーが、グローバルスタンダード作りを目指すということで、これがきっかけとなり、世界のゴルフ界で、一気に薬物テストの導入が加速しそうだ。

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