ゴルフ場数全国第3位の千葉県では、来年4コースが開場を予定している。そのひとつ、千葉市には市民ゴルフ場がオープン予定だが、その市民ゴルフ場がちょっとユニークな運営になりそうだ。
千葉県の某ゴルフ場関係者によれば、今年の県内ゴルフ場の入場者数は、1~3月は暖冬の影響で前年度比10パーセントを超える大幅増。だが、4月以降は横ばいか、若干プラスといった程度。それでも、全国的には最も回復が進む地域であろう。それが弾みになってか、同県では来年、ゴルフ場が新たに4つオープンする予定だ。
まず、PGグループが芝山町に来年6月1日にオープンする予定の「芝山グリーンヒルGC」(仮称、以下同)。PGグループが初めてクラブハウスの設計から手がけたコースで、ハウスに隣接するレッスン施設、PGMラーニングセンターとともに、その斬新な運営が注目される。来年秋開業予定の「ちばリサーチパークGC」は、佐倉市を中心に開発中の総合研究都市内にある、三菱地所が手がけたゴルフ場。他に、「小倉山CC」もコースはほぼ完成し、来年にも開業できる見通しだ。
もうひとつ、注目のコースが、千葉市が若葉区のゴミの最終処分場跡地(貝塚ICから約6キロ)に現在造成中の「市民ゴルフ場」(9ホール)で、来年10月のオープンを予定している。 同コースでユニークなのは、ネーミングライツの販売を検討していること。ネーミングライツとは企業が施設の命名権を買うシステム。ゴルフ界では、食品会社のベストアメニティとネーミングライツ契約した福岡サンレイクGCベストアメニティコースの例がある。
千葉県のケースでは、あわせて管理・運営には、指定管理者制度を採用し、指定管理者が独立採算で運営することになる。すべては、出来るだけ安い利用フィにするためで、担当の市施設維持課では、「条例を制定後、今年秋に指定管理者、ネーミングライツともに公募する予定です」という。
また、コースの監修を片山晋呉プロが手がけることでも注目されるが、その理由を同課では、「片山プロが公共の役に立つことをしたいという話を聞き、ネームバリューもあることからお願いしました。既に、図面上での監修を終え、今後、コースの造成がもう少し進んだ時点で、現場で実際アドバイスしていただく予定です」という。
造成工事は、この秋に芝の播種を行うところまで進んでいる。
ところで、千葉県では09年以降、千葉バーディC(ユニマットグループ系)など、さらに3~4コースのオープンが見込まれている。だが、ただでさえゴルフ場の数が多い千葉県にあって、これ以上ゴルフ場を増やして、やっていけるのだろうか。
ゴルフジャーナリストの田野辺薫氏は、「大きなグループの傘下なら営業力もしっかりしているので大丈夫でしょうが、そうでなければ、他にない魅力的な運営とか、コースデザインでなければ、苦しいでしょうね」と、ますます差別化が大事になるだろうと語る。
これら新コース、ゴルファーにとっては気になるところだ。
|