ハワイ出身の天才少年タッド・フジカワ(16歳)がプロ転向を発表。そのフジカワが9月のフジサンケイクラシックで先に出場が決まった石川遼と対決! という〝噂〝を聞きつけ、取材してみた。日米ティーンエイジャー対決は、果たして実現するのか?
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プロ転向したが、〝商品価値〝は薄れた!?
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フジカワのフジサンケイ出場の噂が聞こえてきたのは4月。
昨年の全米オープンに15歳で予選から出場。話題となったが、それ以上に注目を浴びたのが、今年2月の米ツアー、ソニー・オープン・イン・ハワイ。
史上2番目の若さで予選を通過。3日目終了後にはトップ10入りする大活躍。
身長、わずか155センチ、16歳と4日の日系人少年が世界中のゴルフファンの目を釘付けにした。
また、その体からは想像もできない300ヤード近い飛距離も魅力的だった。
日系人ということもあり、日本のゴルフ関係者の間でも話題沸騰。
特に、女子ツアーに押されっ放しで、試合数が激減していた男子ツアー関係者の目には、フジカワがヒーローに見えたようだ。
4月末には来日し、中日クラウンズに主催者推薦で出場。青木功とプレーするなど、アマチュアながら大会の目玉として話題を集めた。
そんなさなかに、本誌はフジサンケイに来日、の噂を聞きつけていた。
だが、状況はその後、激変する。
2年連続で全米オープン出場を狙ったフジカワは、地元、ハワイで地区予選を突破すると、日本の最終予選へとエントリーしたのだ。
この時、すでに日本ツアーではハニカミ王子、石川遼が15歳でのツアー優勝という離れ業をやってのけており、男子ゴルフ界には新たなヒーローが誕生。
全米オープン最終予選で落選したフジカワへの興味は対照的に薄れていった。
また、フジカワと同じハワイで全米オープン地区予選を突破した薗田峻輔も、石川と同じ杉並学院高の3年ということもあり、注目を集めたが、最終予選には失敗。
それでも関東アマ優勝や、日本アマでの上位進出で、むしろフジカワ以上に日本では有名になりつつあった。
そんな流れの中、アマチュアとしてプレーを続ける意向を示していたフジカワが、突如、方針を変更。
7月12日にプロ転向を発表。
だが、これに対して周囲は首を傾げる。
同時に「時機を逸した」「お金に目がくらんだ」と批判が噴出。
大きなマーケットのはずだった日本ですら、石川の出現で、フジカワへの注目度が薄らいでいるのが現状だ。
その間に、石川は優勝したマンシングウェアKSBの次に参戦するツアー競技として、フジサンケイクラシックを選んだことを発表。
一気に周囲の興味はこちらへ向いてしまった。
では、フジカワはどうなったのか。
その疑問を周辺にぶつけてみると、8月開催の米ツアー、レノタホオープンには主催者推薦で出場予定というが、そのほかは何も決まってないというのが現状だ。
さらに取材を進めると、浮き彫りになったのは、目玉選手として呼ぶはずが、石川の参戦決定によってその意味が薄らいでしまっているというのが真相のようだ。
石川VSフジカワの飛ばし屋対決は見てみたいが、石川はすでに一枚看板として立派に成立している。
そのことを、フジカワの存在がはからずも証明した形となった。
今後のフジカワの動き、さてどうなるか?
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