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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/14号
2007/8/2更新
ピン位置、TVケーブルの処理など
テレビに出ない全英オープンの裏話

 大波乱に終わった全英オープン。本命と目されていたプレーヤー達が、どんどん脱落する中、穴馬たちも上がりの数ホールで、皆がボロボロ。でも波乱はプレーヤーばかりでなく、大会運営者側にも多々あった。


ハリントンの優勝は
立派だったが…

 全英オープンの主催者でゴルフルールの総本山であるR&Aが、その権威を失墜させるかのようなミスを出していたのだ。

 話は少し古くなるが、最初に驚かされたのが、7月2日サニングデール・オールドコースで開催された全英オープンの最終予選会。

 なんと予選会の試合の最中、4番ホールでピンの位置が変えられるという事件が起こっていたのだ。

「当初、当日の天気予報を考慮して、カップの位置を決めたが、試合中、オフィシャルから連絡を受けて行ってみると、プレーが出来ないようなピンポジションだった。そのため、ヨーロッパツアーの人と話し合い、一時プレーを中断、カップを切る位置を変えた」(R&Aチャンピオンシップ委員会マーチン・キパックス委員長)。

 すでにプレーをしていた選手は、再度このホールに戻されてプレーをし直すという混乱が起こっていたのだ。

 そして、こんな不祥事があった後、本戦の大会初日10番ホールで、なんとタイガー・ウッズのボール処理に関して”裁定ミス”が起こってしまった。

 このホール、深いラフに打ち込んだタイガーだが、ボールは、テレビ用のケーブルの横。

 これは動かせる障害物として、処理するのが普通だが、「私が裁定を求めたのではなく、オフィシャルがやってきて、ドロップできるといったからやったんだ」(T・ウッズ)とボールをピックアップして、低いラフの場所にドロップしたのだ。

 つまり、動かせない障害物として扱われたというわけ。

 結局、タイガーはこのホール、パーで切り抜けたが、ウッズがボールを打った後、BBC 放送のラウンドレポーターをしていた元ツアープレーヤーのマーク・ローが、現場で、そのテレビケーブルを1メートルほど動かして見せ、R&Aの裁定ミスを指摘し、問題が表面化した。

 アラン・ホームズというR&Aのルール委員が、問題のオフィシャルだが、ナンバー1プレーヤーのウッズについて回るオフィシャルということであれば、R&Aのルール委員の中でも、もっとも知識がある人間の一人であるはずで、その人物が、求められていないにもかかわらず、ドロップが出来ると裁定ミスを犯したのだから、R&Aの権威も失墜しかねない。

 テレビの関連ということなら、日本のテレビ中継をしていた松岡修三の”はしゃぎすぎ”も目立った。

 初日には、「お静かに」のサインの出る中、グリーン上で同伴プレーヤーのパットを見守るタイガーをバックに、ライブ中継のコメントを出していたし、最終日、ホールアウト直後にタイガーの単独インタビューをしていたが、これはいわば掟破り。

 メイン局のBBCがインタビューをするのならともかく、その他のメディアは通常、共同インタビューの場所で行うのが約束。

 プレーヤーが、すでにインタビュー済みと、その後の共同インタビューを拒否する可能性があるからだ。

 ゴルフの報道を知らない松岡にすれば、熱心な取材を行ったということなのだろうが、それを許すR&Aには、やはり問題がある。

 最後の最後にプレーオフが決まる前18番のセカンド地点、最終組のガルシアが、15分前後も待たされ、集中力が切れてしまったというコメントを発したが、これもある意味R&Aの不手際。

 振り返ると、R&Aの権威のほころびや人材不足が目立つ大会だったといえるのかもしれない。

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