様々な腕前のプレーヤーが一緒に楽しめるスポーツ=ゴルフには欠かせないハンディキャップ。だが、このシステムが実は一本化されていないのが日本の現状だ。これをすっきり、一本化する流れが起きている。動き始めている関係各団体を追った。
もっともアクティブな動きを見せているのが関東ゴルフ連盟(KGA)だ。
「ハンディキャップを一本化したいというJGA(日本ゴルフ協会)さんの依頼で昭和53年からモニタリングを開始しました」(KGA加藤重正事務局長)。
ここから、コンピュータによるシステム管理に着手。G-sys(シス)というシステムを経て現在使用されているJ-sys(シス)にたどり着いた。
基本的に加盟503団体(07年7月現在)のみを対称にしているKGAだけに、このJ-シスというシステムの対象となっているのは各クラブのメンバーのみだ。
導入しているクラブでは、自分のところで提出されたスコアカードを計算するのではなく、このソフトに入力すれば、自然にハンディが算出される仕組みとなっている。
このシステムのメリットとしては、これまで、複数のクラブメンバーとなっている場合、クラブによってハンディが異なり、さらにJGAハンディもという事態が起きていたのがなくなる点だ。
だが、名門クラブほど閉鎖性が高いこともあり、採用していないクラブも多い。そのため全体に広く普及してはいなかった。
が、KGAは8月1日からこのシステムに新機能を搭載。
J-シスからJGAハンディ取得ができたり、携帯からの利用ができるようになったりして、利便性が増すようにした。
同時に、来年度から主催競技(関東クラブ選手権は除く)出場に対し、J-シスからのJGAハンディ取得を条件にした。
つまり、クラブ側がシステムを採用せざるを得ない状況を作り出したのだ。
また、これまでKGAのみで使用してきたシステムを来年からJGAに移管することも決定。全国規模でのネットワークが構築されることになる。
JGAのハンディキャップ規定(平成16年2月26日改正)では、本来、JGAハンディとクラブでのハンディに大きな差は生まれないはずなのだが、現状では旧態依然のコースもあるため、ややこしい事態が起きている。
J-シス採用に対して「理想形はハンディキャップの一元管理ですが、時間はかかると思います。けれども、これを全国に広めることによって、ノンクラブゴルファーにとってもハンディキャップは習得しやすくなる。また、ハンディキャップを自己満足として取るのではなく、その使い道を考えてあげなくては」(塩田良事務局長)
と、前向きさを隠さない。
もちろん、これまでは全国規模でまとまっていなかった日本アマクラスのトッププレーヤー以外のデータがJ-シスによって集められ、コースレートの制定など、様々なことに役立てられるのは言うまでもない。
JGAの手にゆだねられることで、クラブメンバー以外にもハンディ取得の機会が広がるのは間違いないはずだ。
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