今年5月から国内で輸入販売された素振り練習器が、輸入代理店に納品されるや即完売の状態が続いている。これに限らず、このところ人気プロコーチが開発、推奨する練習器に次々とヒット商品が生まれている。調べてみると、かつての練習器のイメージから一変した現状が見えてきた。
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ヘッド内蔵の重りでスウィングをチェック。
インパクトスティック
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冒頭に紹介したのはヤマニが輸入販売している「インパクトスティック」という練習器。内蔵された重りの動きで、正しいリリースポイントや最大加速ポイントがインパクトゾーンにあるか、がチェックできるそうだ。
これが5月の第1次入荷2000本はわずか10日間で完売。続く3000本もすぐに完売。次回納品予定の3000本も、既に納入先が決まっているという。
これほどの人気になったのは、当然、商品力もあるが、契約している内藤雄士コーチの力が大きいようだ。
同社では内藤コーチのお墨付き、つまり同コーチの理論に則した練習器を「内藤雄士推奨」として販売。
それを同コーチもプロの指導の際に用いるため、トーナメント会場でギャラリーの目に留まる。そこから一般ゴルファーに広まっているのだ。
「従来、練習器というと初心者向けというイメージがありました。そこで、上級者も使える、きちんとした理論に沿った練習器を開発しようということで、5年前に内藤コーチと契約。同時にプロサービスも始めました」(ゴルフ事業部 真木敦氏)。
そのため真木氏は、ツアー会場の内藤コーチのコーチングにも立ち合う。
そして輸入製品をテストするだけでなく、新製品の共同開発にも取り組んでいる。
そして、そこから既に数種類のヒット作(スウィング矯正器、パッティング練習器)が世に出ているそうだ。
実は、同様に人気プロコーチによって開発、考案され、商品化された練習器が最近増えている。
江連忠プロが考案した25インチの短い練習クラブ「Eアイアン」はレッスンDVD付きというアイデアもあってヒットしたが、同じく江連プロが日頃のコーチングで使わせている長短2種の野球バット。これも、製造を依頼したアシックスから間もなく商品化される予定だ。
井上透コーチはレーザー距離測定器メーカーのニコンビジョンのアドバイザーを務め、そのプロユースに寄与しているが、練習器でも自身が考案した製品を「iメソッド」というシリーズで商品化。ティペッグ等で知られるタバタから販売している。
なかでもインパクト時のクラブの正しいアクションを覚えるための練習器「インパクトゾーン・マスター」は、「契約選手だけでなく、今では50人ほどプロが使っていると思います」(井上氏)という人気で、今では一般ゴルファーにも広がっている。
「練習器」というとビギナー対象のイメージが強かったが、いまやプロも頼りにする時代。
それが認知されると、一般にも伝播、ヒットしていく時代になったということか。
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