先の全英リコー女子オープンにミッシェル・ウィ(17歳)が参戦していたのを知っているだろうか? 同じ週、同じハワイ出身のタッド・フジカワ(16歳)が、WGCの裏試合レノタホオープンで、プロデビューを果たしていた。結果を先に言えば、共に予選落ち。そのために、ほとんど報道されることがなく、また、早すぎるプロ転向に疑問の声が上がっている。
ウィはいまさら言うまでもないが、16歳の誕生日を迎える5日前の15歳でプロ転向した天才少女。
プロ転向した当初は好成績をあげ天才の名を欲しいままにしたものだが、昨年秋頃よりばったり不調に陥った。
今回の全英女子でのスコアはカットに2打及ばず予選落ち。
その前週のエビアンマスターズでは、予選ラウンドでトータル16オーバーの69位タイ。
一方、日系のタッド・フジカワは、予選ラウンドで78-71のスコアでカットに5打及ばず予選落ち。
フジカワは、全米オープンの後にプロ入りを宣言したが、フジカワより先に同じく16歳のカナダ出身のリチャード・リーというプレーヤーもプロ宣言。
7月のジョン・ディアクラシックに出場したが135位の成績で、決勝ラウンドには進めなかった。
良い成績を収めれば、大きく報道されたのかもしれないが、ウィともども、低迷でマスコミからは、見放されてしまった。
フジカワは、昨年の全米オープンに史上最年少で出場し、今年のソニーオープンでも20位、2月のハワイ・パールオープンで優勝した話題のプレーヤー。
ソニーオープンで、「世界の最高のプレーヤーたちと対等に戦える」(フジカワ)という自信を得て、プロ入りを決意したと言うことなのだが、同じハワイ出身の友人で昨年の全米女子アマの勝者であるキンバリー・キムによれば、
「彼は、プロがどんなにすごいか、まだ分かっていないのでは。プロは毎週プレーして、それを仕事にしているが、私たちは楽しいからプレーしているだけ。プロ入りはあまりにも早すぎるし、彼は誤った判断をしたのだと思う。でも、彼は沢山のお金だけは貰っていることには間違いがない」という。
若く、清潔なイメージを持つアマチュアが、プロ入りをしようとすれば、それを応援しようというスポンサーが名乗りを挙げることは分からないではない。
また実際、アマとしても試合の遠征費は馬鹿にならない。ハワイから米本土までの費用も大きい。早く契約金をもらいたい気持ちも分かる。
しかし、プロになってゴルフが仕事になると、どこまでゴルフに対する情熱を持ち続けられるか、疑問が残らないわけではない。
まして、ウィやフジカワのようにプロ入り宣言をした時点で、スポンサーから多額の契約金が入るとなるとハングリー精神を失い、せっかくの才能を潰すことにもなりかねない。
また、情緒面、体力面が成長途上にあることもある。成長するにつれてゴルフに対する考え方も変わる。
これらを考えると早すぎるプロ入りは、百害あって一利なしということなのだろう。
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