8月23日から4日間、マレーシアのジョホールバルで開催されたアジアンツアー、イスカンダル・ジョホールオープンで、最終日を3バーディー、ノー・ボギーの68で回ったアルテミオ村上が逆転優勝を飾った。
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チャレンジの猿島で開眼!(写真・アジアンツアー提供)
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村上はアジアンツアー参戦2年目の24 歳。170センチ、90キロ、ずんぐり型の飛ばし屋だが、アプローチにも冴えを見せる器用なタイプだ。
フィリピン人の母と日本人の父の間で、マニラで生まれた村上は父親に勧められて8歳でゴルフを始め、メキメキ上達。
99年フィリピンアマ選手権のタイトルを獲得するなど05年まではフィリピンのナショナルチームのメンバーとしてプレーする一方、03年には日本ツアーでプレーするフランキー・ミノザのキャディとして1年間バッグを担いだ経験もある。
プロ転向後、実質的デビューとなったのは今年2月のフィリピンオープンで、ミノザが優勝したこの大会で11位タイ。翌月のモトローラ・インビテーション・ビンタンオープンでは7位タイと手応えを得た。
父親の故国・日本のチャレンジツアーに初挑戦したのはこの5月末に行われたエバーライフカップだったが、このときはあえなく予選落ち。
だが、8月の猿島では、初日67でトップタイ。2日目はパットの不調で惜しくも優勝は逃したが、この優勝争いが転機になった。
ブルネイオープン(8月30~9月2日)のため滞在中のホテルに電話をかけると、
「ジョホールで勝てたのは、日本のチャレンジツアーでの経験で自信がついたから。それと、最終日の前日、日本にいるミノザ“先生”と電話で話をして、最後まで諦めるな、とアドバイスされたおかげです」
と日本語で答えてくれた。
この勝利でアジアンツアーのランクも41位に上昇。日本や世界への道が大きく開けた。
ところが、チャンスが広がったことでスケジュール調整が難しくなったのも大きな悩みとか。
「アジアンツアーも大事ですが、日本での出場権獲得も魅力があるし、できれば9月のシンクスNOVILカップ(チャレンジツアー第9戦、徳島・JクラシックGC 9月22~23日)に出場する予定です」
ワールドランキングには、日本名・弘正の前に、アルテミオの名前でクレジットされた(8月26日現在401位)村上。
今後、日本とアジアの活躍で、どこまでその名を広めていくことができるか楽しみだ。
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