自分の年齢と同じか、それより少ないスコアで回る「エージシュート」は、ゴルファーの究極の夢だが、この夏、おそらく女性として初のエージシュートを達成した人がいる。東京の福井加代子さん(70歳・HC13.8)がその人だ。
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スーパーグランドマザー誕生!
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大記録が生まれたのは、8月16日、太平洋クラブ軽井沢リゾート浅間コースで行われた「サマーダブルス競技会」。
中学3年生のお孫さんと一緒に出場したゴールドシニアの福井さんは赤ティからのプレーではあったが、5186ヤード・パー72をアウト37、イン33の70、2アンダーでフィニッシュした。
「私のゴルフ人生で、あれほど緊張した怖い思いをした18番ホールは初めて。特に最後のパットは何とか入れて下さいって、両親に祈りながら打ちました」
日頃は白ティからプレーしている福井さんは今回の大会に出場するため、大会前に赤ティから練習ラウンド。75というスコアが出ていたので、当日も70台で回れればいいなという軽い気持ちでスタートした。
しかし、後半いきなり連続バーディで発進、さらに13番でもバーディを奪った辺りから、
「少し意識し始めました。でも、うまく行けばパープレーで回れるかなと思ったくらいで、まさかエージシュートができるなんて考えてもいませんでした」
しかし、この日の福井さんは、寄せもパットも絶好調。終わってみれば大偉業を達成した。
女性は男性に比べて年齢とともに飛距離が落ちるのが普通だけに、エージシュートは余計に難しくなる。
男性のエージシュートはあっても、女性ではほとんど情報がない。それも今回は競技で出ただけに、まさに快挙と言ってもいいだろう。
一説には、エージシュートは18ホールで男子は6000ヤード以上、女子は5400ヤード以上でないと認められないという説もあるが、これに対しては、「ルール上、そういう規定はありません。福井さんは、18ホール・パー72のコースで達成されたのですから、大変立派な記録です」(関東ゴルフ連盟競技委員長・野口正三氏)
福井さんがゴルフを始めたのは20歳の頃。結婚後、出産・子育てのために10数年間中断。40歳を過ぎてから再びクラブを握った。
そして、50歳を超えてもう一度、プロについてスウィングを見直し、練習に励んだ。
そんな練習の甲斐もあってか、60歳を超えてからドライバーが飛び始め、今でも平均飛距離200ヤードというから驚きだ。
「この歳になるまで健康でゴルフができるのは本当に幸せなこと。今後も末永く元気にゴルフを楽しんでいきたいですね」
という福井さん。2度目のエージシュートも期待大だ。
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