猛暑下で行われた今年の日本ジュニア(8月15~17日、霞ヶ関CC)。“ぽっちゃり王子”こと古田幸希くんが、「猛暑対策に、朝、ホテルで43度の熱いお風呂に入ってからコース入り」したことが一部で報道された。スタート前のこの入浴方法は猛暑対策になるのだろうか。ジュニアで実績のある幸希くんがやったことだけに、その効用を調べてみた。
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暑さ対策としては勘違いだった!?
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ところが、父親の修一氏に話を聞くと、「あれは暑さ対策ではなく、当時は連戦で腰に疲労がたまっていたので、その解消に、と思ってしたことです」との返事。
修一氏によれば「ジュニアの間では、特に寒い時期の合宿などでコースに向かう前に宿舎のお風呂に入ることが珍しくない。柔軟体操代わりに血行を良くし、筋肉をやわらかくするため風呂に入ったのでは」という。
そうした習慣があったので、腰の張りを感じた幸希くんは、猛暑でもまずお風呂に入ったようだ。
では、暑い時期にゴルフに有効な入浴法はないのだろうか。
テレビの情報番組等でおなじみの医学博士・土田隆氏(磯子中央・脳神経外科病院副院長。日本温泉気候物理医学会認定温泉療法医)に聞いてみた。
「熱いお風呂に入ると、そのときは副交感神経が刺激され、血管が広がり、集中力も増します。でも、お風呂を出るとその反動で血管が収縮しますから、脱力感を感じるようになります。ですから、スタート前にお風呂に入るのであれば、反対にぬるめ、体温プラス1度程度のお風呂に入るといいでしょう。それならコースに出たとき、その反動で血管が広がりますから」とのアドバイス。
どうやらお風呂の温度で暑さ対策という点では、幸希くんは逆だったかも。
また、猛暑でのゴルフでは、ハーフターン時にシャツを着替える人も多い。
そのときに、さっとシャワーを浴びてから、残りハーフに向かうという人がいる。このシャワー利用法は医学的にどうなのだろう。
「その場合は、さっきと反対に熱めのシャワーを浴びたほうがいいでしょうね。そうすれば、血行が良くなって体にたまった乳酸が分解され、筋肉の凝りがほぐされますから」。
シャワーを浴びるだけならそれほど時間がかかるわけでもないので、これは試してみる手はある。
どうせスタート前にお風呂に入るなら、汗を流して気分をすっきりさせるだけでなく、肉体にも有益な方法でつかりたいものだ。
ところで、8月末の気象庁の発表によれば、今月は厳しい残暑が長く続くことはないものの、気温はまだ平年より高めに推移するという。
どうやらゴルフ関係者の暑さ対策はもうしばらく必要のようだ。
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