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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/25号
2007/9/13更新
「クラブ調節可能」ルールが緩和
新たな展開あるか、各社の思惑は?

 2008年のルール改正では、高反発クラブ規制いわゆるSLEルールばかりが話題に上ってきたが、実はクラブに関する大きな規則変更はほかにもあった。

 フェースのスプリング効果の規制に始まり、長さ、ヘッド容積、アイアンの溝形状など、2008年に向けてゴルフクラブには次々にルールの網がかけられてきた。

 しかし、その一方で、規制が緩和される部分もある。

 それが、R&AとUSGAが去る8月29日に公式リリースした「New Rules on club adjustability in 2008」(原文まま)だ。

 両協会は、このクラブ調節に関する新ルールについて、今年2月からクラブメーカーと意見交換を行いながら検討を続けてきたが、その内容は、ひとことでいえば「クラブに調整機能を組み込むことを認める」というものだ。

 調整機能というと、すでにテーラーメイドのウェートを交換して重心位置を変えるメカニズムがよく知られるが、新ルールではこうした重量調整のほか、R&AないしUSGAが認めるその他の調整用メカニズムも搭載できるようになる。

 ここで想定されているのは、ロフト・ライ角やフェース角、シャフト交換などいわゆるフィッティングのための調整。アマチュアにもフィッティングの機会を公平に与えられるべきというのが新ルールの趣旨だ。

 一ゴルファーとしては、今回の“規制緩和”によって、画期的なクラブが次々と登場することを期待したいが、クラブメーカーの受け止め方は意外に冷静だ。

「自由に作れる部分が増えるのは歓迎すべき。ただ、いろいろなアイデアはあっても、どれが形になり、どんなメリットを生むのか、実用化までには検討が必要。いろいろな可能性はありますが、まだ未知数です」(ブリヂストンスポーツ広報室長・嶋崎憲人氏)

「(基準が明記されていないので)新しいメカニズムを考えても、それをUSGAに個々に問い合わせて認めてもらうステップがあります。難題ではありませんが、ある程度時間がかかるでしょう」(キャロウェイゴルフ・倉嶋隆夫氏)。

 また、オプティフィットシステムというシャフト交換システムを試打クラブで実用化している同社だが、 「市販品への応用も微妙に考えていますが、新ルールでは、しっかり部品が固定され容易に調整できないという条件があり、それがどこまで適用されるのかもはっきりしない」(倉嶋氏)という事情もある。

 クラブ設計家の竹林隆光、松尾好員の両氏も新ルールの効果については疑問視している。

「ルール自体に具体性がないのでコメントのしようもありませんが、いままでなしでやってきた調整機能を作ったからといってそれほど恩恵があるかどうか」(竹林隆光氏)

「調整機能は当たり負けしない相当しっかりしたものを作らなければならず、それが他の性能を犠牲にすることになります。また、メカニズム的なものは特許がからむので、特定のメーカーが独占し業界全体に広がらないでしょう」(松尾好員氏)

「人によっては、こんなことがいままで規制されていたのかと思う部分もあるでしょうし、新ルールの導入が発想のヒントになるケースもあるのでは」(ミズノ広報宣伝部・西田維作氏)という見方もできるが、いずれにしろ来年になったからといって、すぐに画期的なクラブが続々と生まれることはないというのが実情のようだ。

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