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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/2号
2007/9/20更新
プロとキャディが仲違い、R・アレンビーの
キャディ職場放棄の顛末

 タイガー・ウッズがPGAツアーのフェデックスカッププレーオフのBMW選手権、ツアーチャンピオンシップと2連勝し、初のプレーオフチャンピオンに輝いたが、BMW選手権で、ラウンド途中になんとキャディがいなくなるという椿事が起こり、試合にミソをつけていた。


キャディとの仲違い、実はアレンビーには前歴があった

 事件? を起こしたのは、ロバート・アレンビーのキャディ、マスュー・トリトン。

 トリトン氏は1年ほど、アレンビーのバッグを担いでいるが、BMWの第2ラウンド、コグヒルの16番ティグラウンド(アレンビーはインのスタートで、7番ホールにあたる)、急にキャディ用のゼッケンを脱いだかと思うと、ヤーデージブックを投げ捨てたのだ。

 アレンビーによれば、その16番でスプーンを手渡された時、ちょっとクラブが大きいかと思ったが、別に文句を言わずにそのまま使った。

 ところがティから歩き出した時「彼は無視するような態度を取り、急に『俺にキャディをやらせたくないんだろう? やめさせたいのと違うか?』なんていいだすんだよ。何があったのか良く分からない。もちろん自分は、『そんなことはない』といったが、彼はそのまま立ち去ってしまったんだ。2日間まったく問題なくやっていたのに…」とか。

 ゴルフルールによれば、「プレーヤーはどの時点でも、キャディを1人しか伴うことができない」ということで、ある時点で2人のキャディをつけることはできないが、1人がキャディをやめれば、代わりの人間をキャディとすることができる。

 幸いなことに、アレンビーのトレーナー、バーン・マクミラン氏がギャラリーロープの外について回っていたことから、急遽、残りの11ホール半を臨時キャディとして、バッグを担いでもらったのだ。

 初日は75の4オーバー(パー71)、2日目も15番まで2バーディ・2ボギーのパープレーだったアレンビーだが、キャディがいなくなった16番から、3つスコアを伸ばして、2日目は68。

 そして3日目、最終日と69、68のスコアを出して、結果は38位タイ。

 フェデックスカップのポイントでは、24位にいた(BMW終了後は26位)アレンビーだけに、試合前からツアーチャンピオンシップの出場も確実視されていた。

 つまりBMW選手権、ツアーチャンピオンシップと2週連続の予選カットのない大型賞金の試合で、アレンビーの獲得賞金の分け前を、キャディのトリトンは、みすみす逃したことになる。

 喧嘩(?)は、双方から聞かないとどちらが悪いのか分からないが、実はアレンビーには、前歴がある

「これがゴルフというもの。今回が初めてではないし、これが最後でもないだろう。でも、事件の後、自分は間違いなく良いプレーをした」などと嘯いているが、95年の全英オープンでも、アレンビーのキャディがやめるという事件が起こっているのだ。

 この時は、当時のキャディ、マイケル・ウェイト氏が、ラウンド中、キャディバッグを頭の上にまで持ち上げて、地面に叩きつけるという事件がおきたのだが、ラウンドが終わるまでやめずにバッグを担ぎ通している。

 考えてみれば、「プレーヤーは自分のキャディによるどのような反則に対しても、該当する罰を受けなくてはならない」というルールがあるにもかかわらず、両キャディとも少なくともアレンビーには、ルール上の迷惑をかけていない。

 職場放棄は許されるものではないが、アレンビーにも何か落ち度があったようにも思えてくる。

 キャディとプレーヤーは一心同体、とすれば、キャディが棄権をするのなら、プレーヤーも棄権とは言わなくとも、プレーヤーにも罰はあってもいいのかも?

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