トーナメントも9月下旬に入り、いよいよ本格シーズンに突入。これまでのシーズンで大活躍しているプロの陰には、「クラブチェンジ」の影響があった。
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スウィングとクラブを替えて奏功の谷原
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自分の手のように馴染んだクラブを替えるのはプロにとって冒険だ。
だが、その一方で契約金という安定収入を捨ててもいろいろなクラブを試したいと考えるプロも多い。
キャディバッグにつきもののメーカーロゴ。しかし、キャロウェイやテーラーメイドの看板プロとして君臨した谷口徹は、今年開幕戦に真っ黒なキャディバッグで現れた。
ゴルフ専門各誌のクラブ取材も「まだ使うクラブが決まっていない」という理由で拒否。
実際、シーズンが始まってからも様々なクラブをテストし、パターとフェアウェイウッド以外の10本は開幕時からがらりと変わっている。
最近は、藤田寛之からすすめられた『インプレスX425V』ドライバー、『ラックTP』アイアン、全米オープン対策で入れた7番ウッド『X-フェアウェイ』に落ち着き、「ウッドワンオープン」と「セガサミーカップ」の2週連続優勝の支えとなった。
谷口のほか、今年メーカー契約なしで戦っている大物プロといえばブリヂストンを離れた伊澤利光と横尾要、同じくタイトリストを離れた今野康晴だ。
このうち昨年、賞金シード圏外のランキング78位という屈辱を味わったのが伊澤。
特に昨夏は予選落ちが続き不振を極めていたが、タイトリストを使いはじめた終盤戦から徐々に調子を上げ、今年は開幕4試合目の「日本プロ」で優勝するなど完全復活を印象づけた。
クラブをめったに替えなかった横尾も、今年は練習場に5、6社のドライバーを持ち込むなど積極的に新しいクラブを試してきた。
開幕時とはセッティングがかなり入れ替わっているが、成績の方は上位で安定しており、それこそいつ優勝してもおかしくはない。
また、一昨年の賞金ランキング2位から昨年83位に転落した今野。
「いまはボールをつかまえてストレートに打ちたい」というニーズにキャロウェイ『X-フォージド』がはまり、持ち前のショットの切れ味も戻って、「ANAオープン」ではプレーオフに残った。
活躍といえばこの人もそう。昨年終盤に背中を傷めてしまった谷原秀人は、体への負担の少ないスウィングに改造する一方で、ドライバーを455ccのプロトタイプ、アイアンをマッスルバックからキャビティの『X-ブレードCB』、フェアウェイウッドは『サスクワッチ2』と契約先は替えていないが、よりやさしめのセッティングに変更した。
その成果は夏場の2週連続優勝というカタチになって現れた。
一方、女子ツアーで台風の目となっているのもクラブを替えた2人。
賞金ランキングトップの上田桃子は、キャロウェイの4番アイアンをユーティリティに替え、さらにそれをショートウッド7番(『X-フェアウェイ』)へのセッティング変更で安定感を増した。
また、キャロウェイを離れミズノと契約した飯島茜は、当初使っていたチタンフェースモデルを『JPXフォージド』に替えアイアンの悩みが解消されると同時に、ドライバーの『MPクラフト425』でキャリーが伸びた。
「ゴルフ5レディス」「日本女子プロ」で2週連続優勝するなど追い上げており、キャロウェイの新旧看板娘による女王争いが終盤戦の見物だ。
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