史上初の300万ドルの年間獲得賞金にL・オチョアが王手をかける中、元女王のアニカ・ソレンスタムの陰が薄くなっている。今季は首に続き、腰と故障に悩み、まだ1勝もしておらず、10月1日現在彼女の賞金ランキングは30位。今週10日から開催される、出場選手わずか20名という限られた枠のサムソン世界選手権には出られないはずなのだが、なんと主催者が、出場規定を変更してしまったのだ。
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ゴルフより大事なものが見つかった!?
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サムソン世界選手権は、メジャー勝者に加え、昨年の優勝者、それに欧州女子ツアーの賞金トップの選手が招待を受け、残りを、賞金の上位選手で埋めるという形で、毎年開催されてきた。
さらにオプションだが、これまでは全米アマの勝者というカテゴリーもあったが、しばらく使われておらず、今回、この招待枠を廃止し、代わりに「ゴルフの名誉の殿堂入りをしている現役プレーヤー」という枠を作り、ソレンスタムを招待することになったのだ。
この試合での5勝を含め、ツアー69勝というアニカを外す訳にはいかないのは分かるが、招待基準を変えるというのは問題がある。
04年にM・ウィが、この試合に初出場した時には、全米アマに未勝利だが、それ以上の実績があるとして、スポンサー招待枠ができた。
その後もウィへの招待は続き、今度新たにアニカのための枠を作るとなると、実力より人気を優先する試合と見られ、世界選手権の権威すら疑われるようになる。
ただこうなると、全米アマ勝者の枠をなくしたことも穿った見方をしたくなる。
というのも、20名の参戦枠のうち、ソレンスタムを加えて7名の招待ということで、残り13名が、LPGAの賞金ランキングから選ばれることになるが、10月1日現在、パク・セリは16位。
オチョアなどがランキングの上位にいることから、実質17位までは出場できるが、全米アマの勝者を招待すれば、パク・セリの出場がぎりぎりで、危ないことになる。
さらに「現役殿堂プレーヤー」ということなら、年末にも殿堂入りするパク・セリは、今後、自動的に招待されることになる。
韓国系のサムソンにすれば、ウィやパク・セリは、是非とも出場させたいということなのだろう。
もっとも、今回招待を受けることになったソレンスタムの方は、先の8月下旬に、かつてのツアープロ、ジェリー・マッギーの息子で、マネジャーのマイク・マッギーとの婚約を発表し、「こんなに幸せなことはない」とウキウキ気分。
キャディでもあった元の夫との長い離婚訴訟に決着がついたのは2年前だから、久々の幸せな状況ともいえる。
”アニカブランド”のマネージングディレクターを務めるマッギー氏とは熱々で、2人で6月に開校したゴルフアカデミーやコース設計の話などに大忙し。
故障のせいもあるのだろうが、今季10試合と参戦数が少ないのも、その辺にも理由がありそうだ。
9月末に今回のサムソンへの招待が決まったにもかかわらず、10月2日現在、まだ試合の公式サイトには、ソレンスタムは出場者リストに載っていない。
スポンサーをはじめ、周りの思惑をよそにソレンスタム本人は、さほど出場に固執していないのかもしれない。
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