SLEルールの完全適用まであと80日あまり。やきもきしているのはゴルファーばかりではない。中古ショップにも”異変”が出てきた。
コンペはともかく、プライベートのラウンドで使う分には問題ないのでは。
そう考えるゴルファーも少なくないが、日本ゴルフ協会(JGA)は、ホームページ上で「競技であるかプライベートであるかは関係ない。スプリング効果の基準値を超える高反発クラブは2008年1月1日以降ゴルフ規則に不適合となるのでゴルフゲームをするのであれば使用することはできない。また、高反発クラブの使用を認める競技の条件やローカルルールの制定も認められない」(一部抜粋)と明記している。
クラブメーカーは、当然のことながらルール適合クラブへのシフトをすでに済ませており、買い替えユーザーの取り込みを狙って動いているが、中古クラブ市場では高反発ドライバーがまだ根強い人気を保っている。
「昨年3月には5対5だったルール適合モデルと高反発モデルの扱い比率が、今年8月には6:4と逆転しました」(ゴルフパートナーFC本部商材部査定課・近藤典之氏)
新品ドライバーの約95パーセントがルール適合モデルになっているので、当然といえば当然だが、高反発ドライバーの比率が意外に高い。
ゴルフパートナーでは、この8月に店頭アンケート調査を実施したが、現状で高反発を使用している人が30パーセント、そのうち次も高反発に買い替えたいという人が18パーセントという結果。
「ニッチ化しつつある中で、とくに60歳代から70歳代を中心にまだニーズはあると見ています」(ゴルフパートナー・近藤氏)
だが、来年以降の動向については慎重な見極めが必要だ。
「実際のところは、1月1日になってゴルフ場がどういった対応をとるのかわかりませんし、プライベートなコンペでの扱いも予測がつきません。ただ、日本人はルールには敏感に反応するので、シニア向け高級クラブは残るかもしれませんが、いずれ高反発は自然消滅するでしょう」(ゴルフドゥ経営企画室・若井秀樹氏)
ちなみに、中古クラブ最大手2社とも販売・買取のトップは高反発の3代目『ゼクシオ』だ。
「『ゼクシオ』はダントツ。発売当時7万円台したものが2万円台で買える値頃感と、ゼクシオならではの安心感が人気の秘密では。このほか『V-iQ』もゼクシオほどではありませんが同じような動きです」(ゴルフドゥ・若井氏)
「シニア向けの『ゼクシオプライム』の動きもいいですよ。あとは高反発かルール適合かというよりも、ヘッドの大きさで選ばれる傾向もあります。他社でも400cc以上のモデルはよく動きます」(ゴルフパートナー・近藤氏)
一部中古ショップでは、高反発ドライバーが買い叩かれたりするケースもあるようだが、当面、シニア向けのスペックや大型ヘッドならそこそこの下取り金額にはなりそう。
ルール適合ドライバー買い替えの軍資金にするならいまのうちだ。
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