先月28日(金)~30日(日)までの3日間、静岡県小山町の富士スピードウェイでF1日本グランプリが開催された。77年以来30年ぶりとなる同サーキットでの開催とあって、周辺の道路は大渋滞が予想され、シーズンを迎えた付近のゴルフ場は事前の対策に大わらわだったが、果たして、その結末は?
当初、主催者の富士スピードウェイでは、開催中の来場者を28日5万人、29日9万人、30日14万人の合計28万人と予測。
そして、その多くは首都圏からの来場者と思われていたため、首都圏と会場を結ぶ東名高速や中央自動車道の渋滞はまず避けられないとの見方が強かった。
というのも、この時期の両高速道路は、もともと行楽客の利用が多い道路で、普段でも週末の夕方ともなると上り(東京方面)で30~40キロの渋滞が当たり前だからだ。
そこで、富士スピードウェイ周辺のゴルフ場では、混乱を避けるために、あえてこの3日間を休場としたコースもあれば、いつもより組数を減らすなどさまざまな対策を講じたが、ゴルフ場側にしてみれば、売り上げが期待できる秋のゴルフシーズンの週末だけに
「今年の夏は猛暑で泣かされて、秋にその分を取り返そうと思っていた矢先にこれでしょう。頭が痛いですよ」(サーキット周辺の某ゴルフ場支配人)
との声も。しかし、相手が国際的なビッグイベントとなれば文句も言えず、如何ともしがたいというのが実のところだろう。
3日間のレースが終了し、サーキット周辺の太陽CCや富士平原GCに混乱の程度を聞いてみた。
すると、どちらのコースの関係者とも口を揃えて、「混乱やトラブルは全くありませんでした」との回答だった。
また、静岡県ゴルフ場協会も、
「富士スピードウェイに向かうシャトルバスの駐車場付近が多少込んだ程度で、渋滞らしい渋滞はほとんどありませんでした。サーキット周辺のゴルフ場で来場者にヒヤリングをした結果でも、普通通り着いたという方がほとんどで、渋滞を心配していつもより早く家を出た分、早く着いたという方もかなりたくさんいらっしゃいましたね」
これは、一体どういうことなのか?
まず、考えられるのは土曜、日曜と富士スピードウェイ周辺の天候がかなりの大雨であり、観客数そのものが当初予想されていた数を下回ったということ。
さらに、F1が開催され、周辺の道路の大渋滞が予想されることが事前からさまざまなメディアやネットを通じてアナウンスされたため、行楽客が外出を控えたことも影響していたのかも知れないが、いずれにしても、拍子抜けするような結末だったことは間違いない。
F1日本グランプリは、来年も富士スピードウェイでの開催が予定されている。
今年と同じような結果なら、何も心配することはなさそうだが、前出の静岡県ゴルフ協会関係者は、
「こんなことなら、休場しなければよかったというゴルフ場もありましたが、今年はたまたま雨で、天気が人出にかなり影響したと思われます。ですから、来年、晴天になった場合に今年同様、平穏に終わるかどうかは全く分かりません。2、3年様子を見なければ何とも言えないでしょうね」
多くのゴルフ場やゴルファー、ゴルフ関係者を巻き込んだ騒動は、どうやら来年も続くと見てよさそうだ。
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