アマチュア選手にとって日本オープン、日本女子オープンのローアマは、日本アマ、日本女子アマのタイトルに匹敵する名誉。と同時に、いずれプロ入りを目指す選手にとっては、大きな資格、特典となる。彼らのタイトルにかける思いとその背景を調べてみた。
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プロへの道が一歩近づいた。
日本女子オープンローアマの森田理香子
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両ナショナルオープンのローアマは、男子の場合、日本プロゴルフ協会のプロテスト(プレ予選~最終まで全4次)は第2次予選までが免除され、最終からの受験資格が得られる(ローアマ取得後、5年間有効)。
また、ツアーのQT(全4次)は第2次からの受験(同4年間有効)。
女子の場合は、プロテスト(全3次)については、翌年は最終からの受験。その後、さらに4年間は第2次からの受験資格が認められる。
ただし、ツアーのQTに免除制度ない。
そこで、ジュニアや学生のトップアマからプロを目指す、もしくは実際にプロになった選手たちの同タイトルにかける思いだが、男子と女子とでは温度差が微妙に違っているようだ。
昨年の日本オープンで日本人アマでは最高位(44位タイ)となった片岡大育(18歳)は、「ローアマの資格については、ほとんど考えたことがないですね。日本オープンでも、とにかくいい結果を出すことしか頭にありません。周りのアマチュアからも、ローアマを取って……、という話は聞いたことありませんね」と語る。
一方、女子だが、先日の日本女子オープンでローアマ争いをしたジュニアの実力者は、多くが同資格が大きな目標という。
「来年プロテストを受験するので、そのためにも是非とも取りたかった」と語る獲得者の森田理香子(京都学園高校3年)をはじめ、惜敗した大和笑莉奈(東北高校3年)も、今後のことを考え、強く意識していたと口にする。
彼女たちが意識するメリットだが、その前提として、今の女子ゴルフ界では、「ジュニア界のトップは即、ツアーでも活躍できる可能性が大きい」という現実がある。
これが男子とは大いに違うところだ。
そこで、高校卒業の翌年に、さっそくシード権を手に入れる最も現実的な近道というか、颯爽たる王道になるのが、同タイトル(日本女子アマ、日本女子学生のタイトルも同じ)を取って、プロテスト最終予選をトップ合格し、それで得られるツアー10試合出場資格で、賞金シードを奪うという道なのだ。
プロテスト1次、2次が免除される分、最終テストに向けての準備・練習に専念できる。
QTから出場権を得るという道もあるが、第1次QTは前年8月の実施。
だから、来春(08年)卒業の高校生がQTで得られる出場権は09年シーズンからなのだ。
また、プロテスト合格前に非会員プロとして出場するにも、第2次QTを通過していなければ、招待資格の権利は得られない。
今の女子ジュニアにとって、同タイトルはとっても現実的で、大きな“ニンジン”なのだ。
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