東京都心の相次ぐ屋外練習場の閉鎖によって、多くのゴルファー同様行き場所を失くしたのはゴルフスクール。そこで注目されているのがインドア施設。そのインドア練習場に新しい動きが起きている。
現在、全国約100カ所でスクールを運営するダンロップゴルフショップは、向こう5年間でスクールを倍増、生徒数を8000人から2万人に増やす計画を発表したが、中心となるのはやはりインドア型だ。
「特に都内では練習場が減ってきて、新規展開は厳しい状況」(ダンロップゴルフショップゴルフスクール事業部長・新井道夫氏)の中、同社では、「狭い」「球筋が見えない」などインドアの欠点を補うため、得意のデジタル技術をいかしたスウィング解析システムなど、いままでのレッスンにはない視覚的なレッスンを取り入れるとともに、ゴルフ場との提携によりラウンドレッスンを組み合わせた新形態のスクール「ダンロップゴルフスクエア」を展開する計画だ。
一方で、新規スクール開設の中心となりそうのが、二木ゴルフや有賀園など量販店、スポーツクラブなど。
大手量販店では、このところ新規開店やリニューアルに合わせて、スクールを開設する動きが目立っている。
一番の狙いは顧客の囲い込みだ。特にジュニアや女性といった新規参入層を取り込むには、スクールは絶好の窓口。
合わせて、用品の販売も期待できるとあって、ショップとスクール運営会社の思惑が一致した格好だ。
試打席を利用してのレッスンは、量販店や百貨店でこれまでも行われていたが、今年3月にオープンした二木ゴルフ三郷店には、スクール専用に8打席が設けられている。
「周辺に練習場が少ないこともあって、常時200名前後の生徒さんを確保しています。スクール会員の方には割引もあるので、レッスンの前後にお買い物をしていただくなど相乗効果は確実に出ています」(中島晋仁店長)
量販最大手のゴルフ5も、金谷多一郎プロ監修によるスクールを5店舗でスタートさせている。
このほか、複合型商業施設に開設されるスクールも増えそうだ。
東京・秋葉原の新名所「ヨドバシAKIBA」内のインドア練習場「アクティブAKIBAゴルフガーデン」には、ミズノなど4つのゴルフスクールが入っているが、若年層を中心にして集客率は一様に高く、「アクセスのよさや話題性など、都心部のスクールとして一つのあり方」(ミズノ広報宣伝部/西田維作氏)として注目されている。
また、前出のダンロップゴルフショップは、19日、東京・高田馬場駅前に「高田馬場BIGBOXクリニック」をオープンさせるが、実質これが携帯・PC予約やデジタル解析機など最新システムを採用した「ダンロップゴルフスクエア」の第1号店となる。
こちらもオープン前に100名の入会者を数えるなど、注目度は高い。
ただ、今後ゴルフスクールがインドア中心にシフトしていくのかとなると、疑問を投げかける声もある。
「単独の事業として考えた場合、1コマにある程度の人数を入れなければいけない。そうした場所が確保できるかどうか、あるいはプライベートレッスン並みの料金を設定して集客できるかどうかです」(前出・西田氏)
さてこの動き、どうなるか、行方に注目したい。
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