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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/6号
2007/10/25更新
1年たったら帳消し? いまなぜ
成田GC民事再生申請の謎

 ゴールドマン・サックスグループ(以下、GS)による経営権取得から1年半。超高級接待コースとして知られる成田GC(千葉県)が民事再生手続きの開始を申し立てた。 預託金債務ごと経営権を取得した1年半前には、「会員の権利に変更はない」としていただけに、この結果に一部会員は猛反発。法的手続きで対抗しようとの動きも出ている。


どうなる? 成田GC

 成田GCは、平和相互銀行から巨額の融資を引き出していたことで知られる、平相四天王の一人・次郎丸嘉介氏率いるオービスグループが、昭和63年にオープンさせた法人専用コース。

 コース設計は川田太三氏で、会員権の募集金額も5000万円からスタートし、最高額は1億2000万円。

 預託金総額はおよそ350億円に達した。

 法人会員には日本を代表する超一流企業がズラリと顔を揃え、理事も一流財界人ばかり。

が、据え置き期間が5年と短かったために、平成4年には早くも預託金の返還請求が始まる。

 平成7年には法人専用の旗を降ろし、個人平日会員の募集を実施。

 平成11年には法人の会員権分割を機に、その分割した会員権の受け皿として個人正会員の募集を実施。

 現在の会員権口数は、正会員1428口、平日会員60口の合計1488口。内訳は、正会員が個人498口、法人930口。

 平日は個人13口、法人12口の他に日曜の利用が可能な特別平日10口や、預託金なしの平日10年が25口が発行されている。

 口数では個人対法人はほぼ1対2の割合で、預託金債権額でも個人101億円に対し法人234億円。

 が、預託金債権者数では個人509名に対し法人313名と逆転する。

 会員や理事の顔ぶれの華やかさとは裏腹に、経営会社を取り巻く環境は平穏とは言い難い状況が続いている。

 当初の共同出資者で、平成13年暮に民事再生手続きの開始を申し立てて倒産した青木建設が平成8年に持ち株をオービスグループに譲渡して撤退。

 平成5年にコース施設に抵当権を設定した千葉県信連も経営危機に陥り、平成16年9月にJAバンク支援協会から資本注入を受ける。

 結果、千葉県信連の担保を取得したGSが、昨年3月に経営権を握るに至ったというわけなのだが、その背景には、およそ350億円にも上る預託金債務を引き次ぐという条件に、他の候補者が二の足を踏んだことも大きく影響しているといわれる。

 預託金返還請求訴訟が相次ぎ、ゴルフ場施設への強制執行などの恐れも出てきたことが、今回の民事再生申し立ての直接的な原因だ。

 だが、「そのリスクを負ったからこそGSは取得出来たのに、世界的な信用力も資力も十分に有するGSグループが、預託金を帳消しにすることは信義に反する。近々会員有志10名程度で会社更生手続きの申し立てを行うが、会員である上場会社各社にも関心を持ってもらい、理解を得たい」(同クラブの会員でもあるゴルフ場問題に詳しい西村國彦弁護士)という。

GSは熊谷組創業一族関連の企業から南総を、また、アコーディアは大本組から秩父国際、エートスから神戸ロイヤルパインズ、竹中工務店グループから金沢GCと北陸グリーンヒル、小松製作所から二丈とセントラル福岡、三井住友建設グループから栗駒GCなど5コースを、いずれも預託金債務付きで取得している。

 これらに関しては、「状況が現状と変わらなければ法的手続きをとることはない」(アコーディア広報)というが、今回の措置を聞いた、各コースの会員の心境やいかに?

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