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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/4号
2007/11/22更新
ミケルソン、上海のSHBCで優勝するも
アジア遠征は家族サービスだった?

 フィル・ミケルソンが、中国・上海で開催されたHSBCチャンピンズで優勝した。昨年はたっぷり4カ月、オフの休暇をとったミケルソン。冗談で、パスポートを持っていないのではとまでいわれるほど海外遠征嫌いのミケルソンだが、今年は、シンガポールに続き、中国にも参戦して優勝。一体どんな心境の変化があったのか?


今年のオフは一味違う……

「今年はメジャーで、自分が思っていたようなプレーができなかった。しかし、自分の最大の弱点であるドライバーが、どんどん良くなっているし、大きなミスをしなくなっている。だから、来年はメジャーで活躍したいと期待している。特に来季はもっとタイガーと優勝争いをすることになるだろう」とミケルソン。

 37歳のミケルソンにすれば、そろそろ勝負をかけなければならない年齢ということで、勝負の勘を鈍らせないためにも、今年は休暇返上で頑張るとも推測されるのだ。

 しかし、実際のところは、「私の子どもたちも大きくなり、もう8歳を頭に6歳と4歳になっている。つまり文化の違いを理解できるような年齢になった。子どもたちは、異なった国の街を見るという教育の機会を楽しんでいるよ」

 とかで、家族旅行をかねての海外遠征というのが、本音のようだ。

 HSBCの試合直前には、家族揃って、万里の長城や紫禁城を見るために北京を訪れるなど、すっかり観光気分。

「ゴルフの国際化に一役買いたいと思うと同時に、それを利用して子供たちにより国際的な教育を与えたいと思った」ということのようだ。

 中国での試合ということで、オリンピックについて質問を受けたミケルソンは「来年はプレーオフシリーズの最中で、オリンピックを見に来ることはできない。ゴルフがオリンピック競技になるのは、少なくとも2016年まで待たなくてはならないけれど、その頃まで、自分が出場できるだけの実力を維持できるかどうか分からない。というよりオリンピックは、アマチュアに限った方がよいのではないか」などと答えてもいるのだ。

 家族旅行で中国にまでやってきたとはいえ、実際の試合となれば、やはり本気モード。

 HSBCの最終日、11ホールを残して5打差のリードをしていたにもかかわらず、「終わってみれば、2打差をつけられ、(R・フィッシャーの18番のダボで)プレーオフになって勝てたのが信じられない」という内容で優勝したのだ。

 風邪を引いていたとはいえ、ここ1番でプレッシャーに弱いミケルソン。

 その弱点を再び露呈させてしまったが、結果的にL・ウエストウッドを含めた3人のプレーオフで弱点を見せながらも優勝できたことは、来シーズンへの可能性を高めたとも受け止められている。

 一方、そのミケルソンがライバル視するタイガー・ウッズは、

「(娘の)サムが生まれてから、すべてが変わった。今年は妻と娘の3人での初めてのハロウィンで、初めての感謝祭、初めてのクリスマスだ。感謝祭は多分、家で皆とアメリカンフットボールの試合をテレビで見ているよ」

 ということで、今年はこのまま海外遠征は行わず、年末までに出場するのは、自分がホスト役のターゲット・ワールドチャレンジ(12月中旬)の1試合のみ。

 空いた時間は、コース設計などに精を出しているということだが、コーチのハンク・ヘイニーとは、ヘイニーの妻の病気のために、これまでほどには頻繁に会っていないということだし、ほとんど完全休暇に近い状態。

 家族サービスという点では、ミケルソンもタイガーも変わらないが、ミケルソンの方は、以前のタイガーのコーチ、ブッチ・ハーモンと弱点克服のために頑張っており、オフの過ごし方は、昨年までの2人の立場が逆転してしまっている。

 これが来シーズンに、どんな形になって出てくるかが楽しみだ。

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