普通のアマチュアとプロが同じ土俵で真剣勝負するという日本初のオープン競技が11月14、15の2日間、兵庫県の宝塚GCで開催された。主催は兵庫県ゴルフ連盟。競技名は兵庫県の県花であるのじぎくがつけられた「のじぎくオープン選手権大会」。さて”普通のアマチュア”がプロと同じ土俵で戦うとはどういう試合なのか?
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新機軸のオープン競技。全国に広まっていくか……
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石川遼くんのようにプロとスクラッチで競って勝ってしまうほどのトップアマが出場するオープン競技はたくさんある。
しかし、プロとスクラッチで戦えない普通のレベルのアマチュアがプロとプレーできるのはせいぜいプロからレッスンを受けながら和気あいあいとゴルフを楽しむプロアマ競技だ。
ところが今大会は普通のアマチュアもちゃんとプロとスコアを争う“オープン競技”。
では、どのようにプロと戦えるのか。答えはJGAハンディを使う、つまりアンダーハンディオープン競技なのである。
「ゴルフと他のスポーツとの大きな違いは“ゴルフにはハンディがあり、誰とでも同じ土俵で戦える”ところにあります。ところが現実はそのハンディを使える競技が皆無に近い状態です。そこでトップアマではないアマチュアも自分のハンディを使ってプロと同じ土俵で戦えるオープン競技を日本のゴルフ発祥の地である兵庫県から発信。兵庫県はもちろん日本のゴルフ界の活性化につながればと思って開催したのです」(兵庫県ゴルフ連盟・三宮藏副会長)
4月から5月にかけて兵庫県下の87コースで開催された一次予選会には2253名が参加。
そのうち8月に7会場で開催された二次予選会へは1190名が駒を進め、そして上位60名(男子57名、女子3名)が今大会への出場権を得たのだ。
プロは男子シニアプロが40名と女子シニアプロが20名出場してアマチュアとスコアを競った。
結果はハンディ13.9の廣田雄二さんがネットスコア計133.2でプロを抑えて優勝した。
「プロアマとは違う緊張感の中でプレーに集中できたのが良かったと思います。ハンディ戦ですから何とかシニアのトッププロともスコアを競うことができますからこのような競技は楽しいです。もちろんプロにも勝ててものすごく気持ちいいです(笑)。ぜひ来年も参加したいですね」(廣田さん)
プロと競えるアマチュアには楽しい競技だったようだがプロのほうにはとまどいも……。
「ついついプロアマ競技の感覚でレッスンしてしまいそうになり困りましたわ(笑)」(中村通)、
「スコアを競うといってもハンディを持つアマチュアの皆さんと真剣に戦うには無理がありますよ(笑)」(中尾豊健)
今大会を総括して前出の三宮氏は「大成功でした。アマチュアが勝ったことで来年はさらに参加者が増えることでしょう。この大会を機に、所属コースがなくても取得できるJGAハンディを持つ人が増え、また老若男女誰でも同じ土俵で戦えるアンダーハンディ競技が全国に広まっていくことを期待してます」と結んだ。
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