ファンドはゴルフ場を短期で転売するもの、という固定観念を裏切り、今やゴルフ場経営の2大巨頭となった2大外資。その2大外資とは異なる経営スタイルをとろうとういう外資系ファンドが登場した。一説にはこのファンド、あのジョージ・ソロス関連という話も聞こえてくるが、本当のところはどうか。
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高品位なコースに生まれ変わるか……本千葉CC
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「コンビニ化した、スケールメリットを狙った経営でもなければ、従来から日本に根付いているいわゆるクラブライフの追求ともまた異なる、ゴルフ場の個性を最大限に引き出す高品位なゴルフ場を目指す」というそのファンドとは、今夏に榛名の森CC(群馬県)を買収したイザナミ・ホールディングス。
榛名の森、沖縄のオーシャンリンクス宮古島に続き、今年9月には本千葉CC(千葉県)を買収していたことが判明した。
イザナミの親会社、グローブ・インターナショナルは、京都ロイヤルホテル、ヒルトン成田など多数のホテルや、リゾート施設などへの投資実績がある。
グローブ社の代表を務める、ゴールドマン・サックス出身のリチャード・ジョージ氏は、あのジョージ・ソロスのファンド運営にも係わっていた。
また、グローブ社と一部事業で共同出資者の関係にあるリサ・パートナーズが、ソロス系ファンドと提携関係にある。
このため、ファンドの世界ではグローブ社も「ソロス系」と言われているのだが、実際には「グローブ社自体は設立時点からソロスとは無関係」(イザナミ)なのだという。
イザナミの現代表・岩崎拓氏はPGM出身で、アーバンコーポレイションのゴルフ場事業子会社、クラシック社の代表を昨年末まで務めていた人物。
ファンドとはいえ長期投資のスタンスで、高品位のゴルフ場運営を目指すというのは本気だと考えていいだろう。
「条件が合えば今後も買収していきたい」(イザナミ)とも。
ただ、9月に買収した本千葉CCはゴルフ場としての評価はお世辞にも高いとは言えないコースだった。
「蘇我ICから5キロ、交通アクセスは抜群。だが、27Hとはいえ4000人もの会員がいて、バブル期には予約がとれなかった。オープンが昭和45年と古く、クラブハウスも老朽化しているし、コースも短い。名変料以外に入会預託金も必要なので、最近では会員権の買い手がほとんど付かない状態だった」(ゴルフダイジェスト社会員権サービス部・田嶋一弘課長)
もともとは鎌ヶ谷CCや一宮CCを経営している川崎圧延(株)がオープンさせ、赤坂陽光ホテルなどを経営している、東京の不動産会社・陽光(株)が平成8年に買収したコースで、バブル期にも会員権相場はほとんど上がらなかったと言われる。
この本千葉CCを、どうやって高品位なコースに変貌させるのか。
第一、目指す高品位なコースとは一体どういうものなのだろうか。
「すべては現在検討中。構想が出来上がり次第公表したい」(イザナミ)とのことで、とりあえずはおあずけ。
4000人の会員を擁する本千葉CCをどう変貌させるのか。構想の公表が待たれる。
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