若手の海外勢が力をつけ始めている。12月初旬、南アフリカ・サンシティで開催されたネッドバンクチャレンジでは、トレバー・イメルマンが、ジャスティン・ローズを抑えて賞金120万ドル(約1億3200万円)を獲得したが、この試合、ポストタイガー世代の実力アップを印象付けるものだった。
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いよいよ世代交代が到来か… T・イメルマン
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この南アフリカの試合、かつては、もっとも優勝賞金の高額な試合として知られていたが、今では、欧米ツアーの賞金高騰で、あまり注目されなくなってしまったのも事実だろう。
しかし今年は、12名の参戦プレーヤーのうち、11名がワールドランキングのベスト30に入っており、しかも8名が、T・ウッズより若い世代のプレーヤーだった。
この時期、ビッグネームたちは、アピアランスマネーの出る試合に半分お遊びで出場する以外、ほとんど家族サービスやバケーションに忙しいが、欧州系の若いプレーヤーたちは、しっかり武者修行に励んでいる。
ワールドランキング(12月3日現在)で言えばこの試合、ランク19位のイメルマン(27歳、南ア)が、7位のローズ(27、英)を1打差で、5位のE・エルス(38、南ア)を5打差で破って優勝したのだが、以下、16位のH・ステンソン(31、スウェーデン)、11位のR・サバティーニ(31、南ア)、12位のG・オギルビー(30、豪)、17位のL・ドナルド(30、豪)、6位のA・スコット(27、豪)と続いている。
不調のR・グーセン(38、南ア)は12名中最下位。
アメリカ人プレーヤーとして唯一参戦したS・シンク(34)は11位だったと書けば、どれくらい若手が頑張ったかが分かるだろう。
この試合で3勝しているエルスは、「もっとボールをコントロールしたい」ということで、アイアンをキャビティバックから、マッスルバックに替え、満を持して試合に臨んだが、結果は3位。
「この試合は、すべての南アフリカのゴルファーが、勝ちたいと願っているイベントで、メジャー以外では、私たちにとっては最高のトーナメント」と間もなく28歳になるイメルマンが語るだけに、同じ南ア出身のエルスもグーセンも本気モードであったはずにもかかわらず、こんな結果だった。
会場となったゲーリー・プレーヤーCCでも知られるように、南アといえばまずG・プレーヤー、そして彼以外にも数々の名手を輩出しているが、少なくともこの国では、エルス、グーセンの世代からサバティーニやイメルマンへと世代交代を印象付けたといえるだろう。
考えてみれば、この12月末に32歳になるタイガーを別にすれば、トッププレーヤーの多くが、プレーヤーとしてのピークを超える年齢に達している。
そうした中で、トッププレーヤーたちが遊んでいる間に、ローズやスコットのような若手が、熱心に海外の大きな試合に挑戦していること自体、来シーズンの世代交代を予想させるとは言えないだろうか?
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