やはりタイガーが稼ぎ頭だった。先の11月下旬の米フォーチュン誌でスポーツ界の契約金収入ベスト10が発表されたが、ダントツのトップはタイガー・ウッズ。ゴルフ界では、賞金総額の急騰が話題になっているが、それ以上に、ハイペースでゴルファーに対する契約金のインフレは進んでいる?
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ウハウハ、スポーツ選手契約金でも1位のタイガー
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同誌のランキングで、驚かされたのは、実は1億ドルの契約金を手にしているウッズよりも、2位のP・ミケルソンかもしれない。
何しろ、「フォード、ロレックス、キャロウェイといったメーカーとの契約で得る彼の収入は、ゴルフで勝って獲得したものを大きく凌いでいる」ということで、なんと4700万ドル。日本円にして52億円(1ドル110円換算)近くにも上るのだ。
ランキングでは、3位と4位が、2500万ドルでバスケットとナスカーレースの選手が続くが、5位には、女子大生ゴルファーのミッシェル・ウィが1950万ドルの契約金で、名を連ねている。
2007年は絶不調だったウィでもナイキなどのビッグな契約金ではまだまだ”好調”のようだ。
個人の名前が出にくいチームスポーツとは異なり、個人と契約するのには、ゴルフが最高ということなのかもしれないが、数あるプロスポーツの中で、1位、2位をゴルフが独占したことは注目に値する。
しかも、ゴルフは選手生命だけでなく、契約金収入でも息が長い。
1年以上も前になるが、米ゴルフダイジェスト誌が発表したプロゴルファーの長者番付では、ウッズ、ミケルソンに続いて、アーノルド・パーマーが30億円強で3位となり、以下V・シン、G・ノーマン、M・ウィ、E・エルス、J・フューリックと続き、9位に年収20億円弱でジャック・二クラスとなっている。
ノーマンもそうだが、一度ゴルフで名前が売れれば、コース設計やアパレルなどのサイドビジネスもあり、パーマーや二クラスのように、一生スポーツ界の長者番付に乗り続けることができるようなのだ。
プロスポーツでは、ゴルフがもっとも稼げるというわけだ。
ただ、トッププロといわれるようなゴルファーたちにとっては、10億円を越える年収が当たり前になっているのには問題がないわけでもない。
例えば、先頃チャールズ・ハウエルⅢが、キャロウェイから離れてブリヂストンと契約したが、先の米ゴルフダイジェスト誌のランキングでは、ハウエルには契約金などの収入が昨年まで300万ドルほどあったのだ。
有望な若手といっても、米ツアーではまだ2勝。
ブリヂストンとの契約金は明らかにされていないが、こうした中堅プレーヤーにン億円の契約金が必要となると、中小メーカーでは、アメリカのトッププロはもちろん、中堅プロともクラブ契約もできなくなる。
タイガーの年収は、中小のクラブメーカーの年間の売り上げに匹敵するまでになっているのだから、当然といえば当然なのかもしれないが、契約金のインフレで、プロゴルファーだけでなく、クラブメーカーも格差社会になりつつあるようだ。
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