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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/1号
2008/12/20更新
適合ドライバー問題、JGA説明会で
公表された情報の“不可解さ”を聞いた

 2008年はオリンピックイヤーであり、4年に一度のゴルフ規則改訂の年でもある。先日、R&Aが08年版の改訂を発表したのを受けて、日本ゴルフ協会(JGA)が日本語訳を作成、その説明会を開催した。その説明会の中で配られたリリースが思わぬ“不可解さ”を呼ぶことに。

 2008年の改訂点の中で注目されるのは、何といっても、6年の猶予期間を経て施行される高反発クラブの規制だろう。

 2008年1月1日以降、違反クラブを使用することはできなくなる。

 ところが、説明会当日配布された資料の「ドライビングクラブ」の項目に以下の文言が入っていた。

・新しい規則と任意の競技の条件を理解すること。
・規則はドライバーが「スプリング効果」の制限に適合することを求めている。
・競技の条件はドライバーが適合ドライバーヘッドリストに掲載されていることを求めている。
・通常、この競技の条件はエリートレベルの競技にだけ使用されることになる。

 エリートレベルの競技とは聞きなれない言葉だが、ひらたく言えば関東アマ、日本オープンなどのレベル。

「クラブ競技はこれには含まれません」(JGAルール担当・市村元さん)

 これを読む限り、一般のアマチュアゴルファーがエリートレベルの競技でなく、プライベートで楽しむだけなら、不適合ドライバーを使ってもいいと解釈できるのではないか?

 そこで、JGAに確認したところ、「いいえ、プロだろうが、アマチュアだろうが関係なく、違反クラブは一切使えません。それが来年からのゴルフのルールなのです。一般の方の中には、遊びのゴルフなら違反クラブを使っても構わないのではないかという認識をお持ちの方もいらっしゃるかも知れませんが、それは誤った解釈です」(市村さん)

 市村さんはこうも言う。

「年に数回したゴルフをやらないアマチュアゴルファーまで帰省の対象にするのはいかがなものかという声もありますが、日本のゴルフ規則を統括するJGAの立場から言えば、ゴルフをやるならルールを守ってくださいというより他にありません。慣例として行われているOBを打ったあとの“前進4打”、これもルールでは認められていませんと言うしかないのと同じです」

 ちなみに、先に挙げた疑問については、「競技の条件」としてエリートレベルの競技では、適合ドライバーヘッドリストに記載されているドライバーを使用することが求められている以上、不適合ドライバーは使えないということなのだ。

 クラブレベルの競技であっても、ルールの前提として、適合クラブを使うことが取り決められていることから、やはり不適合クラブは使ってはならないということだという。

 とは言え、この文言が誤解を招きやすい表現であることは、JGAも認めており、市村さんによると、「用具審査部会では文言に関わることについて、各クラブとしてどう対処するかなど、今後、検討を重ねることにしています」

 さらに、適合ドライバーヘッドリストの他に、不適合ドライバーリストがあり、そのいずれかに記載があれば話は簡単なのだが、テストを受けていないために、そのいずれにも属さない、いわばグレーゾーンのドライバーが存在するという現実も。

 これについては、99年より前に作られたクラブは無条件でルール適合とみなされる。

 それ以降のもので適合リストに載っていない場合でも、違反しているとの強い証拠がなければ、それは適合とみなされるという。

 今後、リスト不記載のクラブ使用をめぐっててのトラブルが起こることも予想され、まだまだあちこちで混乱を招きそうだ。

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