2007年シーズン後半、生涯初のスランプに苦しんだ宮里藍。今季の復活が期待されているが、オフはどのように過ごしているのだろうか? 気になる宮里藍のオフに迫った。
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オフはヨガを習い、リラックスして過ごした藍ちゃん、復活なるか
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シーズン中から「沖縄が恋しい」と里心がついたことを打ち明けていたため、最終戦のあとすぐにでも帰国するかと思われたが、意外にもアメリカの拠点ロサンゼルスにとどまり、球を曲げる練習など「自分なりの課題」に取り組んだ。
12月の中旬に帰国してからはCM撮影やスポンサー関係のイベントなど、本業以外の仕事をまとめてこなし、クリスマス以降を完全オフに充てている。
しかしそこでも打ち込みを行うのではなく、あくまでも今季に向け英気を養うため、“沖縄の風”に吹かれることに重点を置いた。
というのも「最終戦(07年)のADT選手権でようやく納得の行くゴルフができたので、オフは球数を打つのではなく、いかに気持ちを整理してリラックスして過ごすかに集中した方が良いと判断したのです。練習場ではもう何の心配もないほどいい球を打っています。あとは本番にどうやってそれを活かせるかが問題」と父・優さん。
昨シーズンの宮里藍は序盤からベスト10に何度も食い込み、HSBC世界女子マッチプレーでは2位に入って、優勝に手が届くところまでいっている。
ところがそこから無理に結果を求めすぎたことに加え、左ひざ裏の故障で思うようなスウィングができず、「焦りとか、ケガもあって、知らないうちに積み重なって、パニクってしまいました」と、棄権1試合を挟み、プロになって初の4試合連続予選落ちのどん底を経験した。
しかしケガも回復したことから徐々に本来のフィーリングを取り戻し、最終戦は自らのプレーに「90点をあげてもいい」と復調を口にしていた。
予想外のスランプを乗り越え出した結論は「自分のフィーリングを優先していきたい」と言うこと。
4歳でゴルフを始めた頃から宮里藍は頭よりも体でスウィングを覚えてきた。
そんな彼女が不調に陥ったのは、メカニックに偏った指導をし過ぎたのでは? という反省からオフは優さんも本人のフィーリングを尊重し「口出しをしないつもり」とひとり立ちを後押しした。
昨年までは2人の兄と合同でトレーニングを中心としたハワイ合宿を行っていたが、08年は1月早々にアメリカに戻り、ロスでひとりフィーリングを取り戻すべく試行錯誤するつもり。
そのため新たに「ヨガを習いたい」と藍は言う。
尊敬するアニカもオンとオフの切り替えのために取り入れていたことがあり、藍もリラックス法の1つとして「やってみたい」と意欲を示している。
08年の始動は4年前カリー・ウェブと競って2位に入っているオーストラリアのANZレディース。
そこで試合勘を取り戻し米ツアーのハワイでの開幕2連戦に照準を合わせるつもりだ。
自らのフィーリングを取り戻したとき、藍に悲願の米ツアー優勝のチャンスが巡ってくるのではないだろうか。
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