昨年から、「いつになる?」と話題持ちきりだった石川遼のプロ転向は10日に済んだ。次なる関心事は、1社ウン億円の契約金が生じるであろう、用具や所属の契約先がどこになるかということ。それらの発表は今月中にも行われるのだろうが、噂に上っている企業に話を聞いてみた。
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“プロゴルファー”石川遼誕生!
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まずは、業界関係者だけでなく、ファンも注目の石川遼が手にするクラブはどこになるのか。
新聞報道等では、ブリヂストン、ナイキ、ヨネックスの名前が挙がっているが、ある事情通によれば「いやいや、ミズノの可能性も十分にある」とのこと。
ただ、これについては、「うちは、現段階では指をくわえてみているという状況です。アプローチはプロ転向後、交渉のテーブルに着かせてもらえるのであれば、誠心誠意、対応させてもらいます」(ミズノ広報室)とはぐらかしの態。
他の3社も、石川遼との用具契約に関しては、基本的にノーコメント、もしくは「交渉はこれから」という返事。
この4社のなかに、間違いなく、既にいい感触を得ているメーカーがあるはずなのだが……。取材でそれを読み取ることはできなかった。
それだけ水面下での動きが熾烈を極めたということか。
「小学生のころから、当社のアイアンとFWを使ってもらっているのは嬉しいことですが、それは石川くんが選んでくれたこと。それ以上のアプローチはしていません」(ヨネックス)
最近、同社のウェアを身につける頻度が高く、その点から深読みしたくなるのだが。
アマチュア選手に対して許される対応以上のことはしていないという。
「ドライバーを使ってくれているので、いい印象を持たれているとは思いますが……。契約交渉ができるようになれば、用具の性能だけでなく、プロ入り後の充実したフォローアップについてもアピールしたい」(ブリヂストンスポーツ)
「ノーコメントですね。ただ、当社は世界中でトッププレーヤー、もしくは将来有望なプレーヤーと契約を結んでおり、その方針に合った選手であることは間違いありません」(ナイキ)
用具契約に関しては簡単に選択できない問題がある。
彼ほどの選手になれば、契約メーカーはいわゆる「石川番」のスタッフを常時1~2人派遣しなければならない。
また、マスコミの注目も半端じゃないため、本社サイドでもその対応に追われることになる。
つまり、契約金を弾めば契約できるというものではなく、シーズン中の細かな支援態勢も大きな判断材料になるのだろう。
しかし、遼くんに近いある関係者は「彼は用具に対するこだわりは、まだあまりないようです。何でもいいというのではなく、何でも試したいというスタンスで、用具契約もしばらくはルーズな内容。つまり、他社の製品も自由に使える契約にしたがっているようです」とみている。
一方、ボールだが、以前からタイトリストを使用しており、今後も同社製を使いたいと考えているようだ。
ところが、契約となると、同社は国内プレーヤーと多額の契約はしておらず、石川遼側にも熱心な働きかけはしていない。
そのためライバルメーカーにも、宗旨変えをさせるチャンスはありそうだ。
だが反対に、タイトリストを使い続けるとなると、ライバルのブリヂストンがクラブだけの用具契約を結ぶのか。クラブ選びにも影響するはずだ。
もうひとつ、遼くんのファッションに対するこだわりはつとに知られるが、ウェア契約の行方も気になるところだ。
彼自身、オリジナルブランドの立ち上げに意欲的とも言われるが、「基本的にクラブと同じメーカーと契約したいと考えているようです」(前出・事情通)とのこと。
いずれにしてもこれらの契約は、2月5日にシドニーで行われる全英オープン予選会に契約メーカーの用具で出場する場合、早々に発表し、フィッティング等、実戦準備を始めなければならない。結論はまもなく出るはずだ。
もうひとつ、これも用具と同様の大型契約になるであろう所属契約だが、松下電器産業(今年10月に「パナソニック」と社名変更予定)を筆頭に、世界的な企業との契約が噂されている。
そのうちの一社、ロレックスの日本法人に噂の真偽を確認すると、「候補に挙がっているとすればありがたい話ですが、そのような話は聞いておりません」との返事。
こちらも、各種の広告・宣伝に登場することになるのだろうから、その製作時間を考慮すると、結論は急がれる。
ちなみに、プロゴルファー・石川遼の国内初戦は3月1~2日に開催される、日本ジュニアゴルフ協会主催のウィンターゴルフジュニア選手権(茨城・セントラルGC)といったところか。
プロがジュニア? と思われるが、この大会、昨年12月に予選に出ており決勝に出られる権利がある。
出場に関して、プロであっても大会規定上問題はなく、2月2日までにエントリーがあれば出場の運びとなる。
さて、どんな騒ぎとなるのやら。
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