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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/29号
2008/1/17更新
ドップラー効果を使った弾道計測器が登場。
どんどんハイテク化する機器の現状

 インパクト解析機、CADシステム、デジタルシミュレーション、昔は経験や勘がものいったクラブやボール開発の現場も、いつのまにかハイテク機器なくしては成り立たなくなっている。そして現在では、軍事で使われる最先端テクノロジーまで導入されるようになった。


いまやハイテクなくしてデータはとれない!?

 救急車のサイレンが近づいてくるときは高い音、逆に遠ざかるときには低い音に聞こえるのがドップラー効果。

 この原理を利用して、レーダー波を発射し、反射してきた波長の変位を解析して、移動する物体がどの程度の速度で近づいているか、あるいは遠ざかっているのかを測定するのがドップラーレーダーだ。

 気象レーダーや航空機、速度違反自動取締機など幅広い分野で利用されているが、ゴルフ業界でもドップラーレーダーによる弾道測定システムが注目を集めている。

 ここ1、2年の間にクラブメーカーやシャフトメーカーがこぞって導入を進めた弾道計測器の『トラックマン』は、もともと弾道ミサイル迎撃用の「パトリオット」の開発で弾道を解析するために生まれた。

 従来のカメラ式インパクト解析機のように初期条件から計算したシミュレーション値ではなく、キャリーの実測データが得られる。

 また小型で設置が簡単というメリットがあり、用品開発やプロのフィッティング以外にも、一般向けの試打会に使われるケースもあるが、フルバージョンで1台1000万円以上、ソフトを簡略化したバージョンでも500万円近い価格がネックだ。

 そこで登場したのが米国セロシティ社の『ピュアローンチ』だ。

 2台のドップラーレーダーによる2次元解析で、飛距離、スピン、ヘッドスピード、ボール初速、打ち出し角など詳細なデータを計測できる点は『トラックマン』と同じ。

 違いはレーダー波の出力が小さいため20ヤードまでのデータを実測し、そのあとはシミュレーションするところだ

 ただ、ボールの落下地点まで実測できる『トラックマン』もそこまで見通せる広いフィールドで使わなければ意味がないので、日本の練習場事情を考えると「ピュアローンチ」で十分という見方もできる。

 それに、なにより70万円そこそこという価格なので、中小のクラブメーカーや練習場、ショップでも無理なく導入することができる。

『ピュアローンチ』をいち早く購入したマグレガーゴルフは、おもに試打会で活用していく考えだ。

「使い勝手がいいし、飛距離とあわせてインパクトの手前からヘッドスピードの変化も測れるので、うちのクラブの特徴をアピールすることができます」(マグレガーゴルフ・松下健氏)

 同社からは、ボール初速から飛距離を計算する『ピュアコンタクト』も登場し、こちらは正確な距離感を養う練習器具として個人ユーザーに重宝がられそうだ。

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