1月10日のプロ転向宣言から2週間あまり、“プロゴルファー石川遼”に選ばれる誉に浴するのはどこかと注目された「用具契約」と「所属契約」が、25日と28日に相次いで発表された。結局、クラブはヨネックス。所属は今季から国内ツアー競技を開催するパナソニック(松下電器産業)に。気になる用具の契約内容とその舞台裏を紹介しよう。
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ヨネックスとの契約はドライバーを含むクラブ11本以上をはじめ、ウェア、シューズなど、ボールとサングラスを除く、用品の総合契約。
クラブ契約から外れる3本は、「パターとウェッジ2本になると思います」(父・勝美氏)とのこと。
気になる契約金と年数だが、一部新聞には5年6億円との数字が躍ったが、公式には非公開。
ただし、同社関係者は「過去に契約した海外のトッププレーヤーと同じ程度の力の入れようです」ということなので、先の報道に近い線と察せられる。
国内メーカーとしては破格の契約だが、勝美氏を含め周辺関係者は、それが決め手ではなく、あくまでも石川遼が使いたいクラブだから選んだと語る。
その理由を、石川遼本人は満足のいくサポート環境の他に「(ドライバーは)飛距離も素晴らしいものがありますが、それ以上に自分のスウィングをさせてくれるクラブ」だからと語り、勝美氏は「やはり昔から使い続けているので、安心感があるのが大きかったのでは」と補足する。
加えて、他社ドライバーの1年間の使用許可や他社のシャフト(グラファイトデザイン)を使うことを了解した点が同社に優位に働いたのでは、とみる関係者もいる。
この2週間、契約を狙ってまさしく日参したメーカーは「ウェアも含め6~7社からのオファーがありました」(勝美氏)というが、結局は小学校4年からサポートを受けているヨネックスに落ち着いた。
ところが、その正式決定は発表前日の24日。まさにそれからが突貫工事さながらだった。
翌日の発表の会場のホテルを予約したのはいいが、会場で放映された遼くんのプロモーションビデオを作製することは不可能。
そこで、舞台裏をよく知る同社関係者に尋ねると、
「契約の手ごたえを感じた時点で、渡豪(28日)のスケジュールを考えると25日しかないということで、無駄になることを覚悟で手配をしていました」と、見切り発車だったことを明かす。
さて、所属も、今年はブランド名の浸透に躍起となるパナソニックに決まり、残るはボールだが、「豪州は従来どおりタイトリストを使うと思いますが、その後はわかりません。これも彼が選ぶことですから」(勝美氏)ということだから、次はボール契約の争奪戦の火ぶたが?
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