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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2/19号
2008/2/7更新
試合前、奇病説まで出たミケルソン
6位フィニッシュの“元気度”

 タイガー・ウッズをはじめ、フィル・ミケルソン、ジム・フューリック、ビジェイ・シンと久々にトッププレーヤー達が顔を揃えた先のビュイック招待。結果は、予想通り? タイガー・ウッズのブッチギリの4連覇ということになった。肝心のライバル、フィル・ミケルソンは6位タイの成績だった。しかし、アメリカのゴルフファンは、試合の始まる前から、ミケルソンには期待していなかった?


期待しないで(?)とミケルソン

 米ツアーを相撲に例えるなら、東の正横綱がタイガーで、西の横綱がミケルソンといったところだろう。

 シンやエルスといった大関陣が、このところ、ちょっとふがいない成績の上に、タイガー、ミケルソンの2人が対決するのは昨年9月中旬のツアー選手権以来、4カ月ぶりとあって、真っ向勝負を期待したゴルフファンも多かったはず。

 何しろ、タイガーは昨年から3連勝中で、8月以来、優勝できなかったのはドイツバンク選手権の2位タイだけ。

 そのドイツバンクでタイガーを破ったのが、ミケルソンで、彼はオフシーズンに上海でも優勝している。

 しかも、ミケルソンは、弱点はミドルアイアンでのパーオン率だったことがわかったとかで、オフにブッチ・ハーモンとともに、弱点克服のための特訓をしていたなどと伝えられていたから、なおさらガチンコ対決になるのでは、と期待されていたのだ。

 ところが、試合直前の火曜日、予定されていたミケルソンのインタビューが、急遽キャンセルされるという事態が起こった。

 理由は呼吸障害で、ミケルソンは昨年の10月来、咳き込んだり、疲労感やめまいを感じていた。

 そのために、試合の直前に病院に行き、抗生物質を飲んでベッドに2~3日寝ていたのだ。

 結局は、医師の許可がでて、水曜日のプロアマから出場することになったのだが、本人は「ずいぶん良くなった」とは語ったものの、ベストコンディションではないことを暗に示唆していたのだから、はじめからミケルソンの活躍は期待薄とファンをがっかりさせていたというわけだ。

 その呼吸障害の原因は、はっきりしないが、昨年秋のアジア遠征で、悪いウィルスをもらったか、あるいは、同じく秋の南カリフォルニアの火事で、何か悪い煙を吸い込んでしまったのかと噂されている。

 ミケルソンの自宅は被災を免れたが、周囲はかなり焼けてしまった家も多かった。

 その消火後のくすぶる煙の中、「やってくれる人間はいたんだけれど、自分の家だからね。私も梯子を使って、屋根に落ちた燃えくずを掃除するなど、かたずけを手伝った」と。

 それが、庶民的なところのあるミケルソンの良い面なのかもしれないが、プロのトップアスリートらしからぬ行為のツケを払うことになったのかもしれない。

 しかし、3カ月も調子が悪かったというのなら、ブッチ・ハーモンとの特訓のニュースは一体なんだったのか? ということにもなる。

 少なくとも、ビュイックの直前に、休養を取っていたのはホントのことで、あるいは、今年はあまり期待しないで欲しい、プレッシャーをかけないで欲しい、というサインを出した(?)ということかもしれない。

 これが日本の大相撲だったら、横綱としての自覚が足りないということになるのかもしれない。

 他がふがいない分だけ、今からタイガーの年間グランドスラムが、ささやかれるようになってしまった。

 ちなみに、ビュイック招待では、アーニー・エルスは出場していなかったが、V・シンは1アンダーの23位タイ、J・フューリックは、丸山茂樹と一緒の2オーバー、37位タイという成績だった。

 タイガーとミケルソンのガチンコ対決はいつになることやら。

 上位が期待できないのなら、今回の試合で2位と大健闘した今田竜二や、同じ週、欧州ツアーのカタールで優勝したアダム・スコットなど、伸び盛りの若手の成長を期待するしかなさそうだ。

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