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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/11号
2008/2/28更新
世界で初めての機能調節クラブは
ロフト、ライも変更可の進化型

 今年からルールでヘッド、反発性能、体積、長さ、慣性モーメントが規制された。クラブの規制は進む一方の感があるが、その反面緩和された部分もある。それは「調節性」に関する規則だ。そして、この調節性を生かした世界初の機能を持ったクラブが完成していた。


早く試してみたい!
S-GOD FS1HVドライバー

 新しいルールブックには次のような条文が書き加えられている。

「すべてのクラブは重量調整のための仕組みをもつことができる。その他の調節性についてもR&Aの評価に基づき認められることがある」(付属規則II-1-1b/抜粋)。

 R&Aによれば、このルール改正は「アマチュアゴルファーにクラブフィッティングの簡便な機会を与えるため」と説明されているが、一方、業界内では、「ルールによる規制は厳しくなるばかり。これを危惧した政治力のある大メーカーがUSGAやR&Aに働きかけを行ったのでは」と具体的なメーカー名まで挙げた“ガス抜きルール説”も飛び交っている。

 ルール改正にいち早く反応したのはキャロウェイとテーラーメイドだ。

キャロウェイは、1月に行われた米国PGAショーで、好みのシャフトを自分で簡単に付け替えられる「Iミックス」を、テーラーメイドはr7CGBMAXに3種類のシャフトを同梱した限定キットをそれぞれ発表した。このうち、Iミックスは日本でも『ゴルフフェア』でお披露目された。

 ルール改正を見越していたかのような2大メーカーの素速い反応だが、日本からも大手メーカーのさらに先を行くようなクラブが登場した。

 ニュープラザゴルフ(佐藤福寿代表)が独自に開発した「S-GOD FS1HVドライバー」は、シャフト先端を約5度曲げた「ベンドシャフト」とし、これを回転させることでロフト角、ライ角を自在に変えられるほか、ソールのバウンスを変化させてフェースアングル、ウェート交換でバランスまで調整することができる。

 リシャフトも容易にでき、一般的なフィッティングがすべて自分で何度でも行える画期的なシステムだ。

 また、フェアウェイウッドの「同FLEX1」、「同FLEX2」は、それぞれ15~20度、20~25度の範囲でロフト調整できるため、この2本でショートウッドまでをカバーすることも可能だ。

「チタンヘッドでパーシモンのような細かなフィッティングができないかと、ベンドシャフトを思いついたのが7年前」(佐藤氏)という。

 長年温め続けたアイデアがようやく日の目を見たという言い方もできるが、佐藤氏は「S-GOD」の開発過程でR&Aの技術担当者と何度も意見交換を行っており、それが調節ルールの改正に何らかの影響を与えたと考えられなくもない。

 また、現在、クラブメーカーは1つのモデルごとにロフト違いなど多くのバリエーションを用意しているが、「基本的に1つのヘッドで済むので在庫を大幅に減らせる」(佐藤氏)。すでに興味を示している大手メーカーもあり、「世界一小さいメーカー」(佐藤氏)のアイデアが、ゴルフ業界に構造改革をもたらす可能性もある。

 今後、さまざまな調整機能を持ったクラブが登場してくると予想されるが、こうしたクラブは主流となるのだろうか。

 クラブ設計家の高橋治氏は、「規制が厳しくなる中で、さらに飛んで曲がらないクラブを求めるなら、各個人に合わせてフィッティングの精度を高めるしかない」と可能性を示唆する一方、「ある程度専門知識は必要なので、簡単にいじれることでかえって混乱してしまうこともある」と、使う側が機能を十分理解することも必要と訴える。

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