米女子ツアーのHSBC選手権は、今年からロレックスランキング(以下世界R)の上位30位までに出場資格(2月25日・以下同)が適用され、上田桃子に加え、古閑美保、飯島茜が出場した。横峯さくら、不動裕理らにも出場資格があったが、日本ツアー開幕1週前で出場を控えたようだ。この大会のように今後は、世界Rの上位者が出場できる大会が増える傾向にあるが、その反面日本の女子ツアーのある決まりが、日本選手の参戦に大きな障壁となっている。
今季米ツアーのメジャー初戦、ナビスコ選手権は、今年から3月30日時点での世界R上位3名に出場資格が与えられる。一見関係ないこのカテゴリーが日本選手の出場資格に大いに関係してくる。
というのも、この世界Rの上位3名というカテゴリーは優先順位の上から9番目で、その前はゴルフ殿堂入りや過去5年の米ツアー優勝者、昨年の成績上位者など。これと世界R上位者が重複するため、繰り下がりで、米ツアーに参戦していない日本選手にも出場機会が回ってくる可能性が高いのだ。
しかし、ここで問題となるのが日本女子ツアーの試合のエントリーの締め切りの期日である。
「ナビスコのエントリー締め切りは世界Rが発表される開催週の月曜日(3月30日)。しかしナビスコと同じ週に開催される日本の試合はヤマハレディースで、エントリーは4週間前のダイキンの週の3月7日。ということは、世界Rの繰り下がりによってナビスコの出場資格が得られても、もしヤマハにエントリーしていれば、これをキャンセルすると、規定により罰金を支払わなければならなくなってしまう。選手はメジャーに出たくても、エントリーと、出場キャンセルによる罰則規定の板挟みに縛られる形となるのです」(ツアー関係者)
このような状況を選手はどのように考えているのか。今季から女子プロゴルフ協会(LPGA)のミーティング委員長を務める古閑美保は「エントリー期日の見直しなども含め、選手の間から疑問の声が上がったら、議題としてあげていきたい」という。
日本ツアーはなぜ4週間も前にエントリーしなければならないのか?「4週間というのは20年以上前に、出場者側からの要請もあって決定しました。今のところ、これを変更する動きはありません」(LPGA)。
出場カテゴリーに世界R上位者に出場機会を与える試合が多くなる背景には、「直近の調子の良い選手が出場することこそが大会を盛り上げる」という考えがある。
また、試合のエントリー期日も、選手自身が調子の良し悪しを判断することを考慮すれば、米ツアーと同じように1週間がより妥当であり、4週間はあまりにも長くはないだろうか。
海外志向の強い若い日本選手が増えているだけに、日本のエントリー規定の見直しが迫られているかもしれない。
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