テストのためのテスト? 上田桃子や宮里藍が参戦している米LPGAでドーピングテストが行われたが、あれは一体なんだったのか? という声がプレーヤーたちの間であがっている。実は、ハワイで開催された第2戦のフィールズオープンで、ドラッグテスト、ドーピングチェックが行われていたのだが、それが本番のテストを行う前の“練習”であることが分かり、皆を困惑させている。
プレーヤーたちが怒ったのは、このテストに時間がかかったことだ。フィールズオープンの試合初日、初めて行われたということもあって、テストに手間取り、練習をする時間もなかったという選手もいたというから、怒るのも当然かもしれない。
しかも、それが、後で本当のテストではなく、テストを行うための練習だったというから、さまざまな憶測が飛び交った。
例えば、テストのサンプルが、誰のものかわからなくなってしまったなどという不手際から、大物プレーヤーに陽性反応が出たり、あるいは出そうになったために、急遽本番ではなく練習にしたとか、さまざまな噂が聞かれたのだ。
もちろん、LPGAは、こうした憶測を全面否定。「本当のテストを行う前に、実際と同じ条件で実験を行う必要があった。今回は、あくまで実験で、練習を行ったことによって、スムーズに行かない所が見つかった。実際のテストと違っていたのは、(尿)サンプルを研究所に送らなかったことだけ」とLPGAの顧問であるジル・ピルグリム氏は語っている。
しかし、そこまでやったのなら、サンプルを研究所に送って実際のテストをやってみるべきだろうし、実験であることを告知しない理由も分からない。
また、どんな所でスムーズに運ばなかったのか、あるいは本番を行う前に今後何回のテストが必要かと質問されても、具体的なことは一切、LPGAは答えていない。
実際にテストのためのテストは必要だろうし、LPGAのいうように、今回はあくまで実地訓練のようなものだったのだろうが、不透明な部分が多すぎることから、憶測を呼んでしまったようだ。
「あくまで噂だが、ある大物プレーヤーが、薬物を使用していたという話を聞いたことはある。しかし、これが本当の話かどうかはともかく、テストが行われても陽性反応が出ないように、LPGAはドーピングテストを行うことをかなり前から告知しており、すでにプレーヤーはクリーンになっているはず。人気のあるプレーヤーが薬物テストに引っかかれば、大きな問題にはなるが、LPGAがテスト結果をごまかして、それが後でばれたら、それこそツアーが存続できなくなる。テストに関しては、ヘンなことはやらないはず」(ツアーに詳しい事情通)というのが、どうやら本当のことのようだ。
このドーピング問題からはまだまだ目が離せない。
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