女子ツアー開幕戦でゴルフ業界関係者が関心を寄せるのは選手のバッグの中身。プロの使用率や勝率が用品の販売に結びつくだけに、今年の商戦を占う意味合いもある。今年の開幕戦で注目を集めたプロの新兵器ははたして何だったのだろう。
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異型パターのスパイダーAGSI(上)とジョン・ミジョンのニューV-iQ(下)
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パターでは、オデッセイが圧倒的なシェアを誇ってきたが、その存在を脅かしそうな新製品が登場した。女子ツアー開幕戦でソン・ボベに初勝利をもたらした『ロッサモンザ・スパイダーAGSI』がそれ。
蜘蛛が足を広げたような独特の形状をしたこのパターは、米男子ツアー・FBRオープンでモデル別使用率ナンバーワンとなるなど使用者が増えており、関係者の間では“オデッセイキラー”とも言われている。
「ショートパットはシンプルに打てるし、ロングパットはタッチが合う。今まで使用してきたパターの中でズバ抜けて良かった」(ソン・ボベ)
「いままでピン型しか使わなかったけれど、打ってみて感触がよいので、きっかけがあれば使う」(諸見里しのぶ)と選手の評判もよく、かつて『オデッセイ2ボール』がアニカ・ソレンスタムの活躍をきっかけに広まったように、大ブレイクする可能性がある。
無名であっても実績を残したパターは強い。昨年、飯島茜の2週連続優勝に貢献した『スリーラック』もじわじわ人気が広がっている。同社では、今シーズン、ツアープロ専用にソフトステンレスから削り出したプロトタイプを用意しているが、開幕前の練習で持ち帰る選手が多く、開幕戦では藤田幸希が早速使用していた。
迎え撃つオデッセイは、『ホワイトホットXGセイバートゥース』や『ホワイトホットツアー』などニューモデルを投入。ヘッド形状、ネック形状、フェースインサートなど数多くのタイプから選べるというコンセプトを継承し王座を守るかまえだ。
ドライバーは、『ツアーステージニューV-iQ』が早くもトップに立った。同社は昨年4勝を挙げた張娜(チャンナ)を迎え入れたほか、ジョン・ミジョンや有村智恵などランキング上位者を多く擁しており、横峯さくら、古閑美保らのダンロップ『ゼクシオ』軍団との勝ち星争いに万全を期している。
ボールでは、開幕優勝を飾った『TPレッド』に注目したいが、強いのはやはりツアーステージ『X-01』シリーズ。『X-01G』が最多の21人を数える。有村、大塚有里子、茂木宏美らスーパーパール色を選ぶプロも増えており、カラーボールブームがやって来そうだ。
このほか、女子ツアー発のヒット商品になりそうなのは、さくらが履いていたダンロップのシューズ『GGS-1040W』。機能性だけでなくアッパーにキルティング素材を使用するなどファッション性も高く、幅広い女性ゴルファーに支持されそうだ。
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