次々と新しいタレントが登場し、百花繚乱の女子ツアー。昨季は21歳の上田が史上最年少で賞金女王に輝き、25歳の古閑はマスターズGCレディスの優勝スピーチで「わたしもまだ若いです」と訴えた。それほど今の女子ツアーの変化は激しくめまぐるしい。大輪の花を咲かせんとする新しいつぼみは、早くも開幕戦から目立った活躍を見せ始めた。
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勝負に遠慮はしない、と……
左から一ノ瀬、若林、服部
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開幕戦からブレークしたのが“アヤコイズムの継承者”服部真夕(20歳)だった。昨年のプロテストでトップ合格し、昨年後半からツアー参戦。日本人選手で初めて、トップ合格したその年にシード権を勝ち取った。
同じミズノのクラブを使用する縁から岡本綾子と知り合い、岡本と同じ会社とマネジメント契約を締結。今では折にふれアドバイスをもらう関係になった。
開幕戦では初日第1組のオナーという大役。ツアーの幕開けを告げる1球は服部が放った。2日目には最終組も初体験して「すごく良い経験ができた大会だった」と大いに自信を深めてシーズンのスタートを切った。
服部と同じように初日のトップスタート、ただしこちらはインの10番でスターターを務めたのが一ノ瀬優希(19歳)だ。プロゴルファーの父をもち、佐伯三貴、三塚優子らツアーV経験者が名を連ねた昨年の新人戦・加賀電子カップを制して名を挙げた。
熊本出身、新人戦優勝、加賀電子所属という経歴は否が応でも上田と比較されるが、本人は「桃子先輩よりも上にいきたい」と同郷の先輩をむしろライバル視している。開幕戦はプロになって初めて出場したレギュラーツアーだったが、堂々の予選通過で新人戦Vがフロックでなかったことを示している。
一ノ瀬は高1の時に右目の角膜炎が悪化し、メガネをかけ始めた。「最初の頃は毎日のように病院に通って、去年の秋からやっとコンタクトをしてもいいと言われたんです」。グリーンの見やすさや雨中でのプレーを考えて、最近はプレー時だけコンタクトレンズをつける。
開幕戦で活躍したルーキーには若林舞衣子(19歳)もいる。今をときめく石川遼と同じヨネックスの契約プロ。アマ時代は日本ジュニア、世界ジュニアを制するなど実績も十分で、今季は大きな飛躍が期待されている。
これらの選手に共通しているのは、全員が「優勝」を今年の目標に掲げていること。ルーキーといえでも勝負に関して遠慮はしない。88年生まれの3人を筆頭に、ルーキーたちの活躍が今年もツアーの大きな活力となるに違いない。
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