今週(4月3~7日)開催の女子メジャー、クラフト・ナビスコ選手権には日本ツアーから横峯さくらが出場。大山志保も出場が確実だ(28日現在)。実は古閑美保にも出場資格を得られる可能性があったのだが、その確定日より前に同じ週開催の国内ツアー戦のエントリー締め切りがあったため断念していた。いわば両ツアーの制度のギャップに泣かされた形で、今後の課題になりそうだ。
クラフト・ナビスコ選手権(以下、ナビスコ)における日本ツアー選手が得られる出場資格には、前年の国内賞金ランキングの上位2人(10位以内)に与えられる主催者推薦。
それと大会直前の3月30日時点でのワールドランキング(以下、WR)の上位3人(日本ツアーに限らない。有資格者を除く)の資格がある。
今大会では横峯とジョン・ミジョン(不出場)が前者の資格で。また、24日時点でWR25位の大山が、ランキング上位選手のほとんどが他の資格(米ツアーの賞金ランキングで昨年の上位70人、同じく今年の30位以内など)を得ているため、後者の出場資格を確実にしている。
しかし、正式決定が30日発表のWRというのはあまりにも直前すぎる。全米女子プロも同じく(有資格者を除く)WR上位3人という枠を用意しているが、それは3週前のWRとやや余裕がある。
日本女子プロゴルフ協会(以下、LPGA)のある関係者は「ナビスコのこの規定には、他のツアーからも不満の声があがっているようです」と話す。ナビスコの規定は、米ツアー選手だけを念頭に入れたとしか思えない。
今回の大山も、出場権を得られないリスクを承知で先週のうちに渡米し、正式決定は現地で迎えた。
実は、ナビスコではこれまでも出場資格をめぐる混乱があった。2005年、日本ツアーからの推薦枠が3人から急きょ2人に減数。にもかかわらず、日本側に通知が届かなかった。その不手際に泣いたのが、2004年賞金ランキング3位の北田瑠衣。すっかり出場する気でいたから、大いに落胆することに。
一方、国内ツアー側にも検討すべき点がある。エントリー期限が大会の4週間前と、こちらは反対に早すぎるのだ。
実はそのため、大山と同様WRで出場権を得られる可能性のあった古閑がLPGAに対し、同週のヤマハレディース(新規大会)のエントリー期限をナビスコと同じ1週間前に変更するよう要請した。
それに対してLPGA側は「主催者のPRなど、大会の準備期間に4週間は必要」と却下した。
しかし、国内男子ツアーの締め切りは大会の1週間前。「運営の準備は1週間前の締め切りで十分。ただ、女子の場合は主催者が出場選手を謳ったパブリシティをしたいから……」(運営関係者)と複雑な事情を説明する。
主催者としては、大会の1カ月ほど前からパブリシティを行いたい。そしてそこでは出場する人気選手を前面にアピールしたい。エントリー期限を1週間前とした場合、出場予定と謳った選手が実際には出ないケースも。
そうなると、その選手を目当てで前売り券を買ったファンは……。人気選手が多い、今の女子ツアーならではのネックだ。
それでも次のメジャー、全米女子プロも前記のようにWRによる出場資格は3週間前の時点で決まるので、国内ツアーのエントリー期限とは1週間のギャップがある。
メジャー出場は選手にとっての大きな目標だけに、LPGAに善処が望まれる。
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