ついに4月1日が来た。3月31日で「ガソリン税の暫定税率」が切れ、ガソリンが1リットル当たり25円安くなった。といっても出荷時に課税されるため即座に安くなるかどうかは、給油所によってまちまちだ。当然ゴルファーにとっても朗報でない訳はない。ここ数日のゴルファーやゴルフ場の声を拾ってみた。
「買い控えは当然ですよ」そう話すのは、神奈川県・港北区のHC10の杉本幸一さん(50)だ。「土日は予約が取りにくい神奈川県内より千葉や埼玉、茨城方面のコースへ行くことが多いので交通費はバカにならない。アクアラインも使うことが結構あるので高速代もかかるし。3月末は、あまり車を使わずにじっとしていました」
たしかに3月中旬以降は、給油所では2000円分とか20リットルだけとかいった定額・定量給油が目立っていた。それだけガソリンの値下げは多くの国民の願いでもあった。
暫定税率が導入されたのは、オイルショック後「緊急かつ計画的な道路整備」のため1974年4月からで、暫定ということでの2年ごとの見直しも、自民党政権が続いたのでほとんど実施されずに今日まできてしまった。
レギュラーガソリンの価格は、昨年12月10日に1リットル当たり155.5円の最高値を記録。今年3月時点でも150円を超えているが、この4月からは130円割れも想定できる。また、軽油は販売時に課税されるため4月から確実に17円安くなる。
しかし、政府・与党は1カ月したら衆院で再可決し、この暫定税率を元に戻すとしている。いわゆる「60日ルール」というものだ。
東京・杉並区のゴルフ歴20年の小泉隆さん(45)は言う。「とにかくこの1年、ガソリンの高さにはうんざりした。今はほとんど相乗りでゴルフ場に行く。安くなっても相乗りを続けるなら、もう少し遠くてもプレー代の安いコースに足を伸ばせる。どちらにしてもゴルファーにとっては嬉しい限りだ」
東京・多摩市のHC8の本田俊夫さん(63)は、「いま月2回のペースでラウンドしていますが、値下げでもう1,2回は増やしたい」と話す。
ガソリンは出荷から販売まで約10日間かかるという。必ずしも4月1日を境に下がるとは言えないが、市場の混乱が指摘されるだけに、酒税減税の際にとられた措置を例とした「見なし返品方式」を民主党が提案している。これを採用すれば、4月1日から25円安く買えるのだが……3月28日現在は、まだ決まっていない。
一方、ゴルフ場の動きはどうか。ゴルフ場運営会社のPGMやアコーディア・ゴルフ、石坂GC(埼玉)に聞いてみると、この話は悪い話ではないか経営面で特別メリットがあるといわけではないらしい。
「ガソリンが安くなることで1回でも多く来場してくれれば歓迎すべきことです」と各ゴルフ場は口をそろえる。
ゴルフ場の反応は意外に控えめだが、その背後にはこれで少しでもゴルファーが増えてくれればという本音も見え隠れする。
とくに首都圏から遠いゴルフ場にしてみれば、アクセスの時間と共にガソリン代は、決して小さな問題ではない。来場回数に直結する。
価格の安いガソリンはいつから売られるのか。ガソリン価格は一般ゴルファーにとっても一大関心事。暫定税率を巡る動きからは当分目が離せそうもない。
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