> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/27号
2008/5/15更新
プロアマ欠場の谷口は本戦も欠場
北京OP辞退続出、プロの“出場事情”

 男子ツアー、「中日クラウンズ」で出場リストから大物選手の名前が消えた。プロアマ欠場した場合は本選にも出られなくなる、という今年から定められた新ルールの適用第1号となったのは、昨年度賞金王の谷口徹だった。他にも北京オープンでは出場辞退が続出。“大会出場”にまつわる話題に迫った。

 3月3日に就任したばかりの小泉直新会長の下、日本ゴルフツアー機構(JGTO)は自らの改革に向けて早速アクションを起こした。その一つがプロアマ大会の価値向上だ。

 ビッグネームだろうが優勝候補だろうが例外はない。大会スポンサーへの配慮から、JGTOは昨年までもプロアマ欠場者に対し罰金の制裁措置を行ってきた。

 しかし、今年からは「プロアマ欠場した選手は自動的に本選出場資格を失う」というさらに厳しいルールが課せられた。昨年大会でプレーオフの末、宮瀬博文に敗れた谷口だったが、水曜日に熱を出してプロアマを欠場。

 これまでならこの日を休養日に当てて本選に備えることができたが、新ルールではそれも適わず、そのまま名古屋を後にした。

 この新ルールで、プロアマ改革の影響を毎試合被るようになった選手も多い。それはプロアマに出場しない選手たちだ。

 毎週月曜日を休養や移動日に当て、火曜、水曜に大会開催コースで練習とラウンドを行い試合に備えるというスケジュールで動いてきた選手がほとんど。

 しかし、今年からはプロアマ当日の練習ラウンドが禁止されたため、同じ練習をこなすためには1日早くコース入りせざるをえなくなり、また、水曜日はコースに来ても時間を持て余してしまうという声もある。

 中日クラウンズではプロアマ終了後も練習ラウンドに出られないため、ドライビングレンジやパッティンググリーンがいつになく混雑する光景が見られた。

「プロアマに出られるくらいの選手になれという叱咤激励の意味合いもある」とJGTOはいうが、多くの選手にとっては、遠征費の負担増か練習量の減少という二者択一を迫られているとあって不満の声もくすぶっているようだ。

 一方、このプロアマ改革、アマチュアの評判は上々で「お褒めの言葉をいただくことが多くなった」(JGTO)。

 これまで、ともすれば自分の練習に集中しがちだった選手に、アマチュアとコミュニケーションをとることや、パーティ会場でのジャケット着用を呼びかけたり、また参加者へ送る礼状や選手一人一人の名刺をJGTO側で準備したりといった事細かなフォローが早速効果を挙げている。

 しかし、こうした改革が進められるなか、将来のワンアジアツアー構想の試金石としてアジアンツアーとの共催で行われたJGTO初の海外試合「パインバレー北京オープン」は、JGTO枠60名のうちシード選手の約3分の2が辞退する日本側にとってはいささか寂しい大会となった。

 事前に何回も下見を行い、ホテルからコースまでのシャトルバスをチャーターするなどJGTOは「国内の大会よりも移動の負担は少ない」としていたが、欠場した多くの選手は「中日クラウンズ」と「日本プロ」というメジャーな大会に挟まれた週に長距離を移動するリスクを避けた。

 また、出場した選手からも、食品の安全性などの問題から、参加を迷っているという話はけっこう聞こえていた。

 石川遼や、谷口徹、片山晋呉ら上位選手が欠場し、地上波放送もなく、日本から取材に出かけたメディアもわずか。

 選手にとっても、ファンにとっても、なぜいま「北京」なのかという事前告知が不足していた感は否めない。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です