日本ゴルフ協会(JGA)が8日に発表した今年の全米オープン日本最終予選(26日、大阪・茨木CC西コース)の日本ツアーからの出場者リストに、当初から出場の意思表示をしていた選手会長の宮本勝昌、同副会長・近藤智弘の名前が見当たらなかった。コトの真相を探った。
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全米オープン予選で久々の対決
左・石川遼、右・元祖天才少年の伊藤涼太
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1日36ホールのストロークプレーで争われる同予選には、前年度の日本ツアー優勝者なら無条件で参加可能。
例年、全米各地区の地域予選を通過者した選手を含めた約20人が「3枚」の本戦切符を争う「かなりの広き門」(JGA関係者)という。
今回も話題の石川遼はもちろん、伊沢利光、谷原秀人、手嶋多一ら実力者が、こぞってエントリーしている。
そのなかで前年度だけでなく、今季のツアーでも優勝している実力者2人の実力者が、世界中のゴルファーの夢の舞台への挑戦権を“放棄”したのだ。
話は、中日クラウンズ開幕直前の4月末にさかのぼる。4月23日のエントリー締め切り日から1週間がたっても全米ゴルフ協会(USGA)のホームページの予選出場者リストに名前がアップされないことを不審に思ったマスコミ関係者に直撃され、2人は慌てた。
ともに、自宅に郵送されていた分厚い英文の申請関連書類には目を通すことなく「信頼している関係者に(エントリーを)お願いしたつもりだった」(近藤)。実際には、郵送だけではなく、ファックスでもホームページからでも、即時にエントリーは可能だったのだが……。
おりしも、男子ゴルフ界にとっては、開幕直前直後の一番の多忙期。2人の「依頼」は宙に浮いたまま、あっさりデッドラインを通過していたのだった。
しかし、同情はされる話でもゴルファーにとってはコース上と同様、すべて自己責任。「僕は(本戦開催地の)サンディエゴのホテルまで、とっていたのにね、代わりに(4月に生まれた)子供と遊びますよ」と宮本は自虐的に笑ったが、後の祭り。
ただでは引き下がらなかったのは、近藤だ。「ボクは開幕前に2回も(予選会場の)茨木を回ったんだよ」という悔しさをそのまま、目前の試合にぶつけると「準メジャー」と憧れていた故郷の中日クラウンズを初制覇。見事? 来年の日本予選出場権までゲットして、溜飲を下げた。
今季絶好調の2人の「うっかりミス」での欠場は、石川遼人気に沸く男子ゴルフ界の次なる大フィーバーに波及する可能性があるかも。
というのは、今回はカリフォルニア州での予選を突破した17歳の「元祖天才少年」伊藤涼太(福井工大付福井高3年)も出場する。
ちなみに両者が小学生だった2002年5月の初顔合わせでは、涼太が32打差(2日間)で圧勝している。6年後、同じ36ホールでの再戦で高校生の2人が、全米オープン出場権を獲得となれば……。
ゴルフ界の発展を願う選手会会長、副会長には本望だろう。
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