ロレーナ・オチョアが強い。先のサイベースクラッシックで、この試合3連続優勝、今季9戦で6勝目を飾ったオチョア。米女子ツアーで、同一試合で3連勝というのは、2005年のアニカ・ソレンスタム以来の快挙。さらにオチョアは、この試合の優勝で、生涯獲得賞金が1200万ドルを超え、歴代3位。ソレンスタムが9年4カ月かかったのを、5年2カ月で達成し、もっとも早いペースの1200万ドルプレーヤーとなった。
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進化し続けるオチョア
誰もこの勢いを止められない!?
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サイベースでは、オチョアは何かとソレンスタムと比較された。というのも、前週のミケロブ・ウルトラオープンでは、ソレンスタムがオチョアを破って、出場2試合連続優勝を果たすとともに、今季限りの引退を表明。
昨年の首の故障から立ち直って、すでに3勝しているソレンスタムは、有終の美を飾るためにも、今季の賞金女王を狙っていると伝えられるなかで、オチョアも新女王の意地にかけて賞金女王の座を守ると表明。
そんななかで、ソレンスタムが初日のトップの64を出せば、オチョアも65のスコアを叩き出したのだから、否応もなく新旧女王の対決ムードが高まっていたのだ。
だが、2人の勝負は、第2ラウンド、雨天のために54ホールに短縮された大会3日目の土曜日にほぼついてしまった。「風の方向が読みづらく、タフなコンディション」(オチョア)のなか、67のスコアを出したオチョアに対して、「どうにもならなかった」というソレンスタムは73を叩いていたからだ。
前日の雨で、グリーンもフェアウェイもソフトで、ボールがよく止まったとはいえ、難しいコンディションでは、ソレンスタムのほうが実力は上といわれていただけに、この2日目の2人のスコアの差が勝敗を分けたといえる。
そんな、オチョアの弱点があるとしたら、ショートゲームにあるといえそうだ。
「確かに自分のショートゲームは、まだ良くなる余地が残されている。グリーン周りからのウェッジでのショットや80~110ヤードの距離からのアプローチなど、まだまだうまくなれる」とオチョア自身が語るように、ソレンスタムに比べると、ショットにバラエティが少なく、リカバリーショットなどは、技術的にはソレンスタムのほうが上手といえるだろう。
もともと「自分は攻撃的なプレーヤー」と語るオチョアにとって、コースや天候のコンディションの良い時は、その長打力を生かしての爆発力を持っている。しかし、そのオチョアも5週連続優勝をかけていたセムグループ選手権の初日、2日目のように、風が吹くとスコアがまとめられなくなってしまうのだ。
「でも、経験を積んだおかげで、今ではタフな状況のなかでもより良いプレーヤーになっている」(オチョア)という言葉を証明したのが、サイベースの2日目だったといえるのかもしれない。
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