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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/10号
2008/5/29更新
えっ、黒いボール?
こぞって「黒」基調ギアを発売するメーカーの思惑

 「黒」が流行している。白物家電や調理器具、食品など、以前はタブー視されてきた商品でも、いまや「黒」はヒット商品のキーワードとしてもてはやされ、そのトレンドがゴルフ用品にも波及しつつある。


青い空を黒いボールが一直線、 これからはこんなイメージになる……

 流行の口火を切ったのは、昨年発売されたテーラーメイドの『r7スーパークワッド』。それまでもクラウンの塗装に黒を採用したクラブはあったが、フェースやソールは金属の光沢を生かしたヘアラインやミラー仕上げが多く、「黒ずくめ」のドライバーは文字通り“異色”の存在だった。

 しかし、『r7スーパークワッド』に続き、『ツアーバーナー』と、同社から黒を基調としたカラーリングのドライバーが登場し、黒が同社製品のアイデンティティとしてとらえられるようになった。

 この6月には、『ツアーステージXドライブGRブラック』『同XブレードGRブラック』(ブリヂストンスポーツ)、『ブラックコレクション』(ミズノ)、『マックテックNV-NXS』(マグレガーゴルフジャパン)が相次いで発売されることから、「黒」ブームは一気に加速しそうだ。

 インテリアとしてのファッション性の高さ(家電)や、健康志向(食品)など巷間で「黒」が受けている理由はさまざまだが、ゴルフクラブの場合は、力強さをイメージさせるカラーとして採用され始めている。

 たとえば、『マックテックNV-NXS』は、従来の『マックテックナビ』シリーズが比較的若いアベレージ層をターゲットとしてきたのに対し、本物志向のシニアアスリートをターゲットにしたクラブで、「青を基調にしてきた今までのシリーズとは異なるラインであることを強調するために、上級者っぽいイメージを作りたかった」(マグレガーゴルフジャパン・松下健氏)

 また、『ツアーステージXドライブGRブラック』は、先に発売された『同Xドライブ445』評判がよかったことも黒を採用した理由の一つ。

「黒が流行っていることもそうですが、クラウンとフェースの色が一体なので、上級者にとってはフェースの向きがあまり気にならないというメリットもあります」(ブリヂストンスポーツ広報室長・嶋崎平人氏)

『r7スーパークワッド』や『Xドライブ445』が出てきた当初、一部のプロからはフェース面が見づらいといった声も聞かれたが、黒を見慣れた今、マイナスイメージがプラスへと180度転じているのは面白い。

 一方、ミズノの『ブラックコレクション』は、『MP-600ファーストトラック』ドライバー、『MP-T』ウェッジ、キャディバッグ、それにボールまでシリーズ化した商品。中身は従来品と同じだが、

「まず自社製品を手にとってもらうための戦略」(ミズノ広報宣伝・西田維作氏)と位置づけられている。

 昨年、同社では、女性向けの『ピンクコレクション』を展開したが、今回はその男性版で、「家電やトイレットペーパーなど身の回りの商品からエアラインまで、プレミアム感や男っぽさを演出できるのが黒」(西田氏)というわけだ。

 ミズノでは、『ブラックコレクション』を約100店舗で展開する計画だが、「従来よりも若い顧客層を取り込める商材。『ピンクコレクション』と対比させるようなディスプレイを検討中」(松坂屋名古屋店)など、他店にない差別化商品を求める百貨店にとってはタイムリーな商材として注目されている。

 昔から黒は不景気な時代に流行するといわれているが、ゴルフ用品業界は景気浮揚のきっかけとして期待が込められている。

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