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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/24号
2008/6/12更新
全米オープンの伏兵になるか?
47歳、K・ペリーがメモリアル優勝

米PGAツアーでは、マスターズ以降、ポストタイガー世代の台頭が著しい。タイガー・ウッズのひざの手術をはじめ、V・シンの脇腹の痛みなど、ベテランが故障に苦しむなか、その隙間を縫って、A・スコット、S・ガルシアら若手たちが頑張っている。そんななか47歳10カ月のケニー・ペリーが、今季初勝利を、ツアー通算10勝目を挙げた。全米オープンの思わぬ伏兵ともいえる、中年の星ペリーに迫った。


8月には48歳になるK・ペリー。メジャーのダークホースとなるか?

 メジャーのようなコースセッティングと、注目を集めた先のメモリアルトーナメント。

「自分の調子がいいのはわかっていた。ショットは凄いし、パッティングのタッチも今は最高。このコースに来ると、いつも自分に奇跡のようなマジックが起こるんだ。このコースも、試合も愛しているし、ここが自分にとっての最高の場所」とペリー自身が語るように、ジャック・二クラスがホストを務める試合で、ペリーは3勝目を飾った。

 開催コースのミュアフィールドビレッジで2勝しているプレーヤーは、当の二クラスを始め、T・ワトソン、G・ノーマン、H・アーウィンの4人という錚々たる顔ぶれで、その上の3勝しているのはタイガーとペリーの2人だけと言えば、今回の優勝がどれほどの快挙であったがわかる。

 これで、ペリーは、「アメリカ北部のマスターズ」ともいわれる今大会で最年長優勝の記録をも作った。

 今季のペリーは、一昨年のひざの手術から完全に復活して、調子が良い。春先のボブホープで3位タイという成績のほか、先のAT&Tでは、今田竜二とのプレーオフに敗れて単独2位。

 そのプレーオフの最初のホールにしても、第2打をグリーン奥の木に当て、それがグリーンを越え池にまで転がり落ちるという不運なものだった。今田にはラッキーだったが、もしかしたらペリーは、ここで今季初勝利を飾っていたかも知れなかったのだ。

 このメモリアルの勝利で、賞金ランキングも5位に浮上。何やら、47歳にしてトッププレーヤーの仲間入りを果たしたような雰囲気だ

 ゴルフで、年をとって衰えるのは、ドライバーの飛距離とパッティングのタッチ、それと4日間の集中力と体力といわれる。

 しかし、ペリーの今季の平均飛距離は294.2ヤード。5年前の295.9ヤードとほとんど変わっていないし、用品の進歩があるとはいえ15年前、1994年の264.9ヤードから30ヤードも飛距離を伸ばしている。

 飛距離のランキングでいえば、15年前は61位だったものが、5年前には26位、そして今年は21位と、歳をとるとともにランキングを上げている。一方のパッティングは、平均パット数が、15年前の1.765から、5年前の1.776、昨年の1.806と来て、今年は1.787と往年のタッチを取り戻しつつある。

 もともと老け顔だが、年をとっても30代前半と同じような顔をしているペリーだが、その分、若さが保たれているということなのだろうか?

 このメモリアルでは、シニア入りまであと2年ちょっとというにもかかわらず、6週連続の参戦だった。体力的にもまだまだ若いというわけだ。

 加えて、ペリーはこれまで春から初夏にかけての時期に波に乗ることが多い。メモリアルで3勝していることが何よりの証明だが、1993年の42歳の時には、コロニアル、メモリアルと2連勝し、翌全米オープンでは3位タイ、そして4週目のグレーターミルウォーキーで再び優勝という快挙を成し遂げている。

 とくれば、今週開催の全米オープンのダークホースになることは間違いがなさそう。これまでは4大メジャーに縁がなかったが、メジャーのようなセッティングのメモリアルに優勝して勢いづいているし、今年の全米オープンは距離も長く、いつもとはちょっと様子が違う。

 もし、これでペリーが全米オープンに優勝するようなことになれば、全米オープン史上最年長優勝者となるばかりか、4大メジャーの最年長ということにもなる。となれば、中年の星のタイトルは、ペリーのものになりそうだ。

 全米オープンでは、タイガーや若手ばかりでなく、ペリーの動向にも注目したいところだ。

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