視聴率はマスターズにはかなわないが、アメリカのプロがもっとも優勝したいメジャーとはナショナルオープンの、全米オープンと言えるだろう。しかし、そんなナショナルオープンにも、参戦したいプロと出たくないプロがいる?
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私を忘れないで!
全米女子オープンに懸けるミッシェル・ウィ
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男子の全米オープンが開催された週、実は全米女子オープンの最終予選会が開催されていた。メリーランドで開催された予選会で、ミッシェル・ウィが、36ホールトータル4アンダーで、ケリー・キーニーに次いで2位となり、女子オープンの出場切符を手にしたのだ。
「欧州女子ツアーのドイツでいいプレーができて、自分のショットに自信がつき始めた。距離も戻ってきているように感じるし、また良いプレーができるようになったと感じている。毎週、プレーに苦しんでいるなかで自分を喪失してしまっていた。
でも、マネジャーをはじめ、コーチのレッドベターや両親、トレーナーと誰も私を見捨てなかったし、『これを超えれば、もっといいプレーヤーになれる』と励ましてくれていた。信じてくれている分、私も頑張って、今はその成果が見え始めたことを嬉しく思う」とウィ。
5月末から6月1日にかけてのドイツ女子オープンで、9アンダーの6位となったウィ。ある意味では、昨年までは、メジャーを始め、米女子ツアーのスポンサー招待で、プレーする場所に困ることがなかったが、手首を故障した昨年来の不調で、出場できる(=招待してくれる)試合が、なくなりかけていた。
それだけに2003年の初出場以来、初めて全米女子オープンの予選会に出場。何としても本選に出場して、存在をアピールする必要があった。今月26日からのミネソタ州のインターラーケンCCで開催される全米女子オープンでは、上位に入賞して、是非とも今後のスポンサー招待を獲得したいところなのだろう。
同じ日にカリフォルニアのファームスGCで開催された予選会では、トップのリサロッテ・ノイマンには6打差をつけられたものの日本の吉田藍子が9位タイ、天沼知恵子が12位タイで同じく全米女子オープンの出場権を得ている。
この全米女子オープンには156人のプレーヤーが参戦するが、日本人プレーヤーでは他に、上田桃子、宮里藍、横峯さくらが参戦する予定だ。
さてもう一方のナショナルオープン、男子の全米オープンを回避したのは、メモリアルトーナメントで優勝したケニー・ペリー。
ツアー10勝をあげているトッププロでありながら、ペリーの今年の目標は、ライダーカップの出場ということで、全米オープンは優先順位の下位におかれていたというのだ。
「(予選会の)1日36ホールプレーは、私には無理。疲れが溜まって、今後の試合に影響する。それにトーレパインズCCでは、良い成績を挙げたことがないから、全米オープン抜きにスケジュールを立てていた」
全米オープンの予選免除は、前々週のワールドランキング50位まで。メモリアルの1週前に優勝していれば、自動的に出場権を得ていた。メモリアル優勝直後は、一時予選会に出る話も出ていたようだが、先のことを考えて、結局やめることにしたのだ。
ペリーのほかにも、本音では、全米オープンの果てしなく長い距離、難しいコース設定に、出場したくないプロもいたようだが、D・ラブIIIやM・オメーラといったメジャーの優勝者も、予選会から出場権を得ていることを考えれば、やはりナショナルオープンということなのだろう。
ナショナルオープンに出たいプロ、出たくないプロ、プロにも色々事情があるようだ。
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