最近の原油価格の高騰とそれに伴う相場の変動は航空会社の経営を圧迫し続けている。2001年から航空会社が原油価格の一部を乗客に負担させる追加運賃(燃油サーチャージ)の価格は年々上がるばかり。さらにこれに加えて今キャディバッグにまで重量制限が導入され料金が発生するという。海外ゴルフの現場で起こっている動きに迫った。
この7月からは日系航空会社の欧米往復にかかる燃油サーチャージは5万6000円にも及び、従来の4万円より1万6000円のアップとなる。
燃油サーチャージは四半期ごとに見直し改正されるが、JTBではこの運賃システムへの顧客の不満は後を絶たないという。さらに追い討ちをかけるかのごとく、受託手荷物の重量制限が各航空会社とも厳しい規定に変わりつつある。
無料範囲内を超えた重量への超過料金システムは各航空会社によってまちまちだが、海外派ゴルファーにとっては痛手ともいえる金額になっている。受託手荷物の制限は、太平洋路線は個数制、アジア・欧州路線は重量制、オセアニア路線は個数・重量制の混合システムを取っている。
ちなみに米国系のユナイテッド航空やノースウエスト航空ではエコノミークラスの国際線で23キロまでの手荷物を2個まで預けることができるが、縦横幅の3辺の合計が158センチ内の規定があり、その範囲を超える大きさの荷物は超過の対象とされる。
キャディバッグも3辺の合計が158センチを超えれば75~100ドルの徴収となり、さらに米国の国内便に限れば、受託手荷物が1個に変更されたことから、手荷物以外にキャディバッグを持参すれば同等の扱いとなるケースも生まれる。
日航やANAの太平洋路線は32キロ以下までの受託手荷物2個までを無料扱いとしている。荷物の3辺の合計が158センチと明記されているがキャディバッグは特別に重量のみの規定とあり、ゴルファーには良心的である。しかし米国内の都市を結ぶフライトはない。
アジア・欧州路線のエコノミークラスの重量は20~23キロまでが一定の目安となっているが、ゴルフが本場の英国航空やバージンアトランティック航空、ゴルフリゾート客に主眼を置くベトナム航空やガルーダインドネシア航空は手荷物20キロ以外にキャディバッグ一式(クラブ14本、靴1足、ボール1ダース)は無料扱いとしている。
ではアジア・欧州路線での日航やANAはどのようなシステムを取っているのであろうか。まず他の航空会社と同じくエコノミーは20キロを目安としているが、キャディバッグはその規定重量内に含まれるものとなっている。
さらにその手荷物とキャディバッグの重さによって超過料金も異なるシステムを取っているようだ。
キャディバッグの規定重量を15キロまでと定め、そこから荷物の合計重量が計られる。仮にスーツケースを20キロ、ゴルフバックが10キロの場合、計30キロで10キロオーバーになるが、キャディバッグが15キロ未満なので特別規定により6キロのみの超過代金で済む。
しかし、この超過金の計算は航空券のノーマル運賃から割り出されるために、欧州路線の場合はなんと5万4000円という超過金計算される。キャディバッグが15キロを超えた場合はオーバー分の重量がそのまま超過金として請求されるので航空会社への問い合わせは必要だ。
韓国、中国も同じアジア欧州路線であることから同じ条件が適用されている。オセアニア路線の主役カンタス航空もこれに似たシステムであるが、ニュージーランド航空は手荷物の他にキャディバッグ10キロまでを無料扱いとしている。
また、キャディバッグにハードカバーを使うと重量超過になりやすいので注意が必要だ。いずれにせよこの手荷物重量規定、行く先によっては航空会社の選択も旅の重要なポイントとなってくる。
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